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街の古びた銭湯、潰れない謎…瀕死の銭湯業界、「工夫」で人気殺到の店出現?

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「Thinkstock」より

 古くから日本人の生活の一部として馴染み深かった銭湯。しかし、厚生労働省発表のデータによると、1989年には全国に1万2228軒の一般公衆浴場(銭湯)が存在したが、14年には4293軒にまで減少。25年間でおよそ3分の1に減ってしまっているということになる。これには08年時点で95.5%もの家庭に内風呂が普及していることや、銭湯を営む事業主の高齢化など、さまざまな要因があるようだ。

 このように廃業してしまう銭湯が多く厳しい状況下ではあるが、今なお営業している銭湯は、なぜ経営を続けていくことができているのだろうか。そして今後、銭湯業界はどのようになっていくのだろうか。日本銭湯文化協会理事であり、銭湯研究の第一人者でもある町田忍氏に話を聞いた。

利用客は全盛期の約8分の1


 まず、銭湯業界が今抱えている問題は、どのようなものがあるのだろう。

「今は“銭湯戦国時代”です。年々、入浴者数が減ってきている厳しい状況で、東京都を例に挙げると、1968年の最盛期は1日の1軒あたりの平均入浴者数が約800人もいたのですが、現在は約100人前後になっています。それと同時に経営者たちの高年齢化が進み、設備も老朽化している。現状だと跡継ぎも少ないので、自分たちの代で廃業という道を選ぶ経営者が多いのです。どの銭湯も今は生き残るのに必死で、昔はどの銭湯も横並びの設備とサービスで足並みを揃えていましたが、現在は自由競争の原理が働いています」

 最盛期と比べ利用者が約8分の1になっているということならば、経営難は想像に難くないが、逆に現在も営業している銭湯が経営を続けられている理由はなんなのだろうか。

「一番のポイントは、その銭湯の土地が誰のものか、建物が誰のものか、という点。土地も建物も経営者が所有しているのであれば、ランニングコストが最低限で済み、経営を続けていけるわけです。そして、そうした銭湯は、近年は経営者が代替わりする際に大幅な改修工事を行い“デザイナーズ銭湯”として再出発するところも増えています。経営者が30~40代であれば、2~4億円のローンを組むこともできますから、時代に合わせて勝負を打つことができるわけです」

 高級温泉旅館のような和モダンな内装にリフォームする銭湯、ジェットバスを設置する銭湯、カフェスペースを設ける銭湯などもあり、現在は多くの銭湯がデザイナーズ銭湯として生まれ変わっているそうだ。