安倍政権を牛耳る日本会議、危険な「戦前回帰」運動…自民、天皇の政治利用を画策か
安倍政権と極めて関係の深い組織のひとつに、「日本会議」という右派団体があります。今や衆参両院の国会議員(現有定数717)の4割にも及ぶ280名もが、この団体の賛同者として名を連ねています。
8月3日に発足した第3次安倍改造内閣における計20名の閣僚中、65%に当たる13名が日本会議国会議員懇談会のメンバーであり、安倍政権はまさしく「日本会議政権」といってよい状況なのです。
7月8日に平凡社から発売されたジャーナリスト・青木理氏の著書『日本会議の正体』(平凡社新書)が現在ものすごく売れています。それだけ国民の多くが、日本の将来に深い関心と不安を持っているからにほかならないでしょう。衆参両院で改憲勢力が3分の2に上る今、日本会議は日本の将来を左右しかねない団体といえます。
同書によれば、日本会議には国会議員だけでなく地方議員連盟まであり、その加盟議員数は現在すでに1700名前後に達している模様です(全国の地方議員数約3万5000名の4.8%)。日本会議の役員には、政界、財界、宗教界、学会の錚々たるメンバーが名を連ね、現行憲法が日本を弱体化させて駄目にしたのであり、明治維新後に形作られた天皇を中心とした「伝統」こそが、日本のあるべき美しい姿としています。これが、一般の人々からすると「戦前回帰運動」と受け止められるゆえんです。
天皇陛下の危惧
2014年1月23日付当サイト記事『NHK、天皇陛下の「お言葉」を恣意的に一部カットして報道~蜜月・安倍政権への“配慮”』にある通り、天皇陛下は13年12月23日の傘寿(80歳)を迎えられた日に、次のようなお言葉を発せられたにもかかわらず、NHKは安倍政権に配慮して以下の部分をすべて削除したと指摘されています。
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」
同記事が指摘しているとおり、これはまさしく今の平和と民主主義、現行憲法こそが「守るべき大切なもの」という天皇陛下の護憲発言にほかなりません。
また、天皇陛下は今月8日に表明された「お気持ち」の結びでも、次のように述べられました。