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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

「地方移住でのんびり幸せ生活」の落とし穴…意外な出費多く、都会より生活コスト高も

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー

 また、寒暖の激しい地方などは光熱費がかさむし、過疎化が進み、財政難に苦しむ地域では、公共料金や住民税、国民健康保険料・介護保険料など公共サービスに支払う料金の負担も重くなることも忘れてはならない。たとえば、国民健康保険料は、自治体によって約1.5~2倍の差(年収によって異なる)があるのだ。

 そして、地方移住でもっとも費用がかかると感じるのが、冠婚葬祭や交際費などご近所とのお付き合いにかかる費用である。

 冠婚葬祭といっても、そのほとんどは葬儀や法要などの不祝儀。当然のことながら、地方は高齢者が多く、親戚や友人・知人などとの付き合いも多いので、年間に参列する葬式の数は、都会とはケタ違いだ。先日帰省した際には、講読している地方新聞で「来月からおくやみ情報をメールで有料配信する」というサービスの案内を発見した。地方ではそれだけ、ニーズがあるということだろう。

お金以外のリスクにも注意しよう

 地方移住には、お金以外にもさまざまなリスクが考えられる。

 そのひとつが病院の数が少ないこと。専門の医師や医療設備の整った総合病院が少なく、あっても遠方で通院が難しいケースもある。健康な間は問題ないが、高齢になると心配だ。

 またインターネット環境が整っているかも重要である。必要なものを通販で取り寄せたり、仕事をしたりする場合に欠かせないからだ。

 いずれにせよ、地方移住にはメリットもデメリットもある。これらをどう考えるかは個々の価値観で異なるだろうが、ともかく、実行する前にお試し移住や自治体による補助金の有無、受け入れ体制などをきちんと確認すること。

 くれぐれも、家族の反対を押し切ったうえ、無計画にコトを進めて「こんなハズではなかった」と後から後悔しないよう、行動は慎重にである。
(文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー)

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
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