昨年末、群馬県在住のエンジニアが作成した「世帯の年間収入マップ」が、インターネット上で話題を呼んだ。
これは、総務省発表の「平成25年住宅・土地統計調査」を基に作成されたもので、年収別の世帯割合を調べることができ、「お金持ちが多い地域」や「低所得者が多い地域」が一目瞭然のデータマップである。
特徴的なのは、「年収300万円未満世帯が50%を超える地域」というふうに、年収と世帯割合を設定できる画面左下のスライダーだ。例えば、「年収300万円未満」の世帯を20%→40%→50%とスライドさせていくと、赤く塗りつぶされる該当地域が少しずつ減っていき、相対的に低所得者の多い地域が浮かび上がってくる。
個別に見ていくと、年収1000万円以上の「お金持ちが多い地域」は、東京都では港区(26%)、千代田区(23%)、中央区(21%)となっている。そのほかの道府県で目を引くのは、以下の地域だ。
神奈川県横浜市青葉区(21%、神奈川県唯一の20%超え)
埼玉県さいたま市浦和区(15%、埼玉県唯一の15%超え)
兵庫県芦屋市(16%、兵庫県唯一の15%超え)
岐阜県大野町(16%、岐阜県唯一の10%超え)
愛知県みよし市(13%、同県豊田市の9%を上回る)
富山県小矢部市(11%、富山県唯一の10%超え)
奈良県広陵町(11%、奈良県唯一の10%超え)
静岡県長泉町(12%、静岡県唯一の10%超え)
年収300万円未満が74%を占める大阪・西成区
一方、年収300万円未満の「低所得者が多い地域」は、東京都では足立区(41%)、中野区(40%)、板橋区(39%)となっている。
全国的に見ると、大阪府大阪市西成区(74%)がワーストで、ほかには高知県室戸市(70%)、福岡県川崎町(70%)、沖縄県名護市(69%)などが低所得の世帯が多い地域ということがわかる。
これらの結果を受けて、ネット上では「貧しい地域は、だいたいイメージ通り」「200万円以下までわかったら、悲惨なことになりそうだ」「自分の住んでいるところが、高所得者が多い地域なんて信じられない」「貧困地域で数%いる1000万円超えはどうやって稼いでいるんだ……」など、さまざまな声が上がっている。
データ分析の専門家に、このマップについて聞くと、以下のような回答を得た。