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第一三共、退職金6千万でリストラに続き、部課長一斉削減策…巨額買収で7年空費、巨額減損

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第一三共本社(撮影=編集部)

 第一三共は部課長職を中心に人件費削減に踏み切る。2017年4月、部長と、課長職に相当するグループ長に役職定年を設ける。部長は58歳を役職定年とし、グループ長は56歳、さらに19年4月から55歳に引き下げる。

 役職定年を迎えた段階で、60歳の定年を前に退職するか、役職のない社員として残るかを本人が選択し、退職する場合は割増退職金を支給する。役職定年の対象者は最大100人規模になる。目的は、部課長職の人員削減である。

 第一三共は14年12月に早期退職を募集した。「転身支援制度特別措置」による退職者数は513人(15年1月30日付)で、国内社員の5.6%に相当する。研究開発部門と“平成バブル入社組”がターゲットとささやかれたが、退職者の2割以上が研究開発部門だった。退職金は最大で給与の72カ月分が上乗せされた。40代で6000万円前後と大盤振る舞いだった。

 リストラの第2弾として部課長職の削減に手をつける。だが、「遅きに失した」と製薬業界を担当するアナリストは口を揃える。主力薬品の特許切れというパテントクリフ(特許の壁)を克服できなかったからだ。

全売り上げの3割弱を占める高血圧症治療薬オルメサルタンが特許切れ


 16年4月からスタートした中期経営計画で、21年3月期の連結売上高は1兆1000億円(16年3月期は9864億円)、連結営業利益1650億円(同1304億円)、ROE(株主資本利益率)は8%以上(同6.5%)の達成を掲げた。

 喫緊の経営課題は、パテントクリフの克服だった。高血圧症治療薬オルメサルタンは16年10月に米国、17年2月に日本と欧州で特許が切れる。16年3月期に全世界で2841億円を売り上げ、連結売上高の28.8%を占める同社の主力だ。

 米国での売り上げは1116億円。米国では通常、特許切れした薬は1年で8~9割が後発薬に置き換わる。年商921億円の日本と、同589億円の欧州でも、間もなく特許が失効する。大幅な減収に見舞われるのは間違いない。

 このため、第一三共はオルメサルタンに代わる大型製品として血栓が詰まる病気を防ぐ坑凝固剤エドキサバンを育てようとしている。

次代の大型薬として期待するエドキサバンは米国で不発


 16年4~9月期決算(国際会計基準)の売上収益(売上高)は、前年同期比4.3%減の4580億円、営業利益は24.5%減の732億円、純利益は30.7%減の489億円だった。円高が響き、海外でオルメサルタンが振るわず、売上高は21.8%減の1154億円と大幅に落ち込んだ。