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第一三共、退職金6千万でリストラに続き、部課長一斉削減策…巨額買収で7年空費、巨額減損

文=編集部
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 エドキサバンは3倍増の161億円、血栓防止薬プラスグレルは32.5%増の202億円と伸びたが、オルメサルタンの落ち込みをカバーできなかった。17年3月期(通期)の売上収益は前期比6.7%減の9200億円、営業利益は23.3%減の1000億円、純利益は21.0%減の650億円と減収・減益決算を見込む。

 オルメサルタンは24.0%減の2160億円と予想。日米欧の特許切れで売り上げが激減するのは来期以降となる。

 エドキサバンは15年2月に米国で発売した。米国では独バイエルなど3社が同様の薬を販売している。エドキサバンには、米国では腎機能が正常な患者には使用できないという、競合品にない制約があり、先行する3社に追いつくのは容易ではない。

 エドキサバンの17年3月期の売り上げは前期比35.0%増の353億円を予想している。しかし、米国では制限付き承認となったため20億円にとどまる見通し。大型製品への期待は急速に萎んでしまった。

ランバクシー買収の後遺症でリストラが遅れる

 国内市場が飽和状態なことと、新薬開発が製薬会社に共通する克服すべき課題となっている。第一三共には、リストラの遅れというもうひとつの要因が加わる。加えて、“ランバクシー・ラボラトリーズの亡霊”を指摘するアナリストもいる。

 第一三共は、オルメサルタンの特許切れに備えて後発薬市場に進出した。08年6月、インド大手の後発医薬品メーカー、ランバクシー・ラボラトリーズを5000億円で買収したが、インドの主力工場でずさんな品質管理が発覚。ランバクシーの株価が暴落し、09年3月期に3500億円もの減損処理を強いられた。さらに13年、14年に2つの工場が米国への禁輸措置を受けるなど、トラブルが相次いだ。

 苦境に陥った第一三共は14年4月、インド最大の後発医薬品メーカー、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズにランバクシー株を売却し、見返りにサン・ファーマの株式を9%取得した。その後、15年4月にサン・ファーマの保有株をすべて売り払い、後発薬市場から撤退した。

 第一三共は後発薬市場へ進出しようとして、7年間という時間を空費した。お荷物と化したランバクシーの対応に追われた結果、合理化が大幅に遅れた。

BusinessJournal編集部

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