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銀行預金口座、10年放置で権利消滅へ…国が強制的に社会生活困難者の支援等に資金活用

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「Thinkstock」より

休眠預金」を以下の3分野に活用する「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(休眠預金活用法)が、第192回臨時国会で可決され、2016年12月9日に公布された。

・「子供および若者」の支援に係る事業
・「日常生活または社会生活を営む上での困難を有する者」(生活困窮者)の支援に係る事業
・「地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域」の支援(地域活性化等の支援)に係る事業、「これらに準ずるものとして内閣府令で定める」事業

 2012年に休眠預金を活用しようという案が持ち上がった時には、銀行界を中心とした反対により、一時頓挫したものの、14年に入ると再び超党派による「休眠預金活用推進議員連盟」が発足し、紆余曲折を経て、ついに実現の運びとなった。

 しかし、この制度はいまだに不透明な点も多く、さまざまな問題を内包している。

 まずは、簡単に休眠預金を説明しよう。休眠預金とは、最後の取引または最後の満期日等から、一定年数以上経過した預金。実は、金融法令上、一定年数は明確に定められていなかった。ただ、銀行預金は商法第522条で5年間、信用金庫などは民法第167条で10年間を経過した場合に預金の消滅時効にかかるとされている。

 このため、秋田銀行、香川銀行、北九州銀行、十六銀行、第四銀行、山口銀行などは5年、福井銀行、城南信用金庫などは3年、りそな銀行、近畿大阪銀行などは2年と設定している。ただし、ほとんどの金融機関は期間を経過後も預金者から請求があれば、休眠預金の払い戻しに応じている。

 だが、ゆうちょ銀行では07年9月30日以前に預け入れた定額郵便貯金・定期郵便貯金・積立郵便貯金について、満期後20年2カ月を経過しても払戻しの請求などがない場合は、権利が消滅する。通常郵便貯金・通常貯蓄貯金についても、07年9月30日時点において、最後の取扱日から20年2カ月を経過している場合は、権利が消滅している。

 そして、今回の休眠預金活用法で、一定年数については「預金等であって、当該預金等に係る最終異動日等から10年を経過したもの」(第2条6項)と定義された。金融庁が行った「休眠預金の発生・払戻状況」の調査によると、休眠預金は年度平均900億円程度が発生し、払い戻しが行われた後も600億円程度の残高がある。つまり、この年間約600億円が休眠預金活用の原資となるわけだ。

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