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「空洞化する」東芝、債務超過危機で「売れるものはなんでも売る」状態…過小資本は不可避

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謝罪する東芝・綱川智社長(ロイター/アフロ)

 経営再建中の東芝は2月13日、2016年4〜12月期連結決算が「大幅な赤字となる見込み」と発表した。だが、14日に予定していた決算関連の報告書の公表を1カ月延期することになった。米原子力事業をめぐり不正行為があった疑いがあり、追加調査を必要とするためとしている。

 7000億円に膨らむ米原発事業の巨額損失で債務超過に陥るのを回避するため、優良事業を本体から切り離し、外部から2000~3000億円規模の出資を仰ぐ。3月31日をめどに、主力のNAND型フラッシュメモリー事業を分社化する。フラッシュメモリー事業の価値を1兆5000億円程度と想定し、独占禁止法の手続きが簡略化できる20%未満を売却する方針だ。

 だが、14日の会見で綱川智社長は20%未満が基本としながらも、「100%売却もあり得るか」との問いに「株式のマジョリティー(過半数)確保にはこだわらない。さまざまなオファーをいただいているので、柔軟に考えていきたい」と答え、完全に売却する可能性も示唆した。

 スマートフォンやメモリカードに使われるNAND型フラッシュメモリーは、東芝が競争力を持つ分野だ。世界シェア(2015年)はサムスン電子の30.8%に次ぎ、世界第2位の19.4%である。

 丸ごと売却すれば一時的に2兆円を上回る資金を手にすることができるが、優良事業を失ってしまい、元も子もなくなる。そこで、メモリー事業を本体から切り出して、外部の出資を募ることにしたのだ。

 提携先で同業大手の米ウエスタンデジタル(WD)、米マイクロン・テクノロジー、投資ファンドの米ベインキャピタルなど6社が入札に参加した模様で、台湾の鴻海精密工業と韓国の半導体大手、SKハイニックスも手を挙げた。韓国メディアはSKハイニックスが「(応札した)金額は3兆ウォン(3000億円)前後」と報じた。

 2割未満の出資では魅力に欠けることから、選定作業が難航するとの見方もある。

東芝テックと東芝プラントシステムの売却が有力

 東芝の自己資本は、16年9月末段階で3632億円。損失が7000億円に膨らめば自己資本は吹き飛び債務超過に転落する。17年3月期に債務超過を避けるべく、フラッシュメモリー事業を分社化し出資先を探しているが、これでは焼け石に水になる懸念が強い。

 そこで、売れるものはなんでも売ることにしたようだ。上場している子会社やグループ企業の株式や不動産を売却し、東芝病院も売却の対象に入っている。成長の柱に据えるはずだった東芝メディカルシステムズは、すでにキヤノンに6655億円で売却してしまった。

 3月末に間に合わせるために、売りやすいものから売る。株式の売却を検討しているのは、株式の過半数を握る連結子会社と20%以上を所有する持ち分法適用会社のうち、東証1部、2部、ジャスダックに上場している7社である。

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