ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 「空洞化する」東芝、過小資本不可避  > 2ページ目
NEW

「空洞化する」東芝、債務超過危機で「売れるものはなんでも売る」状態…過小資本は不可避

文=編集部
【この記事のキーワード】, , ,

【東芝グループの上場会社】
※社名、株価、時価総額、東芝保有比率

東芝テック(東証1部)、618円、1780億円、50.02%(16年9月期末)
東芝プラントシステム(同)、1632円、1593億円、49.74%(同)
芝浦メカトロニクス(同)、269円、139億円、36.54%(同)
東芝機械(同)、489円、816億円、20.10%(同)
西芝電機(東証2部)、176円、68億円、54.46%(同)
ニューフレアテクノロジー(JQ)6660円、799億円、50.00%(同)
国際チャート(同)、270円、16億円、※56.61%(同)
(注:株価、時価総額は2月3日の終値を基準。※印は東芝テックが保有)

 7社のうちフラットパネルディスプレイ(FPD)や半導体の製造装置メーカーの芝浦メカトロニクス、船舶用電機最大手の西芝電機、計測用記録紙の国際チャートは時価総額が小さいのが難点だ。

 残る4社のうち有力候補は、POS(販売時点情報管理)レジを手掛ける東芝テックである。時価総額と東芝の持ち株比率から、取得した簿価などを考慮せずに単純計算すると、かなりの売却益を得られる。

 次はプラント据え付けの工事会社の東芝プラントシステム。こちらも、まとまった資金の調達が可能だ。

 一方、東芝機械から分社したニューフレアテクノロジーは電子ビームマスク描画装置で世界シェア首位。できればグループに残しておきたい会社だ。

 東芝は持ち株の売却で2000億円ほどの資金を得たいとしている。フラッシュメモリー事業の切り売りに株式の売却益を加えても、東芝メディカルの6655億円の足下にも及ばない。

 分社化するフラッシュメモリー事業は、最後の“虎の子”だ。17年3月期に債務超過に転落するのを防いだとしても、過小資本の状況が続く。財務内容の抜本的な解決策として、メモリー会社の株式の上場と、残りの株式のうちの29%(合計で49%程度)の売却がスケジュールに上ってくることが考えられる。ただ、その場合、1社に残りの株式を売却すると、他社の持ち分法適用会社になるわけで、東芝の関与が薄まる懸念がないわけではない。

JDIは全株売却済み

 東芝はジャパンディスプレイ(JDI)の株式を1.78%(1070万株)保有していたが、16年12月に全株を売却した。40億円弱で売り、十数億円の売却益を得たものとみられる。

 JDIは12年に東芝とソニー、日立製作所の液晶事業を統合して発足。政府系ファンドの産業再生機構が筆頭株主(35.58%)だ。東芝はJDI発足時には10%を持っていたが、保有比率は1.78%まで低下していた。今回、その全株を売却した。

 日立もJDI株式を売却しており、母体企業で残るのはソニーの1070万株(1.78%)だけとなった。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

「空洞化する」東芝、債務超過危機で「売れるものはなんでも売る」状態…過小資本は不可避のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!