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航空経営研究所「航空業界の“眺め”」

米国、今まで他国に航空自由化押し付け、今度は米国への参入規制の横暴

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ノルウェー・エアシャトルのB737型機(「Wikipedia」より/Arpingstone)

 米運輸省(DOT)は、ノルウェー・エア・インターナショナル(NAI)の米国乗り入れを、申請から3年も経った昨年12月2日になって認可した。なぜ、3年もかかったのだろうか。

 NAIは、急成長している北欧のLCC(格安航空会社)である親会社ノルウェー・エアシャトルがアイルランドに設置した子会社である。ノルウェー・エアシャトルのグループ全体の昨年の輸送旅客数は、前年比19%増の2930万人で、日欧北極周り航空路(ポーラールート)を開発したスカンジナビア航空を追い抜く勢いだ。今ではライアンエアー(アイルランド、同19%増、1億1700万人)とイージージェット(英国、同6.6%増、7445万人)に次ぐ欧州域内第3位のLCCに成長している。

 ノルウェーはEU非加盟国なので、ノルウェー・エアシャトルはEUと米国間のオープンスカイ協定による自由な米国乗入れ権を享受できない。そこで、EUに加盟しているアイルランドに子会社を設立して、コーク(アイルランド)―ボストン(アメリカ)線の開設を計画したのだ。

 子会社をアイルランドにつくった理由は、同国が北部欧州の最西端に位置し、北米大陸に最も近い地理的優位性を有しているからである。1940年に開港したシャノン空港などは、大西洋航空路の給油のための一大中継地として栄えたという歴史を持つ。そんな歴史が、アイルランドを欧州の伝統的アビエーション(航空)先進国に育て上げたのだ。

 現代では航続性能が向上した航空機の出現により、給油のためのアイルランド寄港はほとんど必要とされなくなったが、依然として航空機整備・航空機リース・運航乗務員斡旋など多くの航空関連企業がこの国に集まっている。米国線に使用する航空機は、航続距離の短いB737型機であることも大きく影響しているようだ。アビエーション先進国であるという理由と路線運営上の技術的問題に加え、アイルランドの寛容な労働法の存在が、低賃金の外国人乗務員採用に適していたことも、ノルウェー・エアシャトルがアイルランドを選んだ見逃せない理由の一つといわれている。

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