今月3日、消費者庁は、水素水関連商品を販売していた3社に対し、「あたかも、本件商品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく、著しい痩身効果が得られるかのような表示をしていた」ことが、景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、再発防止と消費者への周知を求める措置命令を出した。
水素水に関する国民生活センター(消費者庁所管)のホームページを見ると、これまで国民生活センターと水素水業界は、異例のバトルを繰り広げてきたかのようにみえるが、改めて経緯を振り返ってみたい。
国民生活センターのテスト結果公表
昨年12月15日、国民生活センターは水素水へのテスト結果を公表したが、これに対して、業界からは以下のような異議が寄せられ、同センターのHP上に1月20日に掲載された。
「今回、テレビ・インターネットなどの報道では『商品テストを受けた商品は効果は無し』と受け止められるような内容となっております。水素水はただの水との認識が独り歩きしている状態だと感じられます」(富士計器)
「測定方法についての定義は確立されておらず、会社によって測定条件に違いがあります。商品テスト部は、その確立されていない定義にも係わらず商品テスト部が設定した定義により測定されていますが、実際に正しい測定方法なのでしょうか」(日省エンジニアリング)
「国民生活センターが検体として選択された製品、ひいては対象製品の企業が、直接に“風評被害”を被ることを強く懸念しております。国民生活センターに寄せられた相談、テスト依頼、との因果関係を明確にされた検体の選択をされ、再度適切な方法でテストされた上で、報道発表されることを、本『意見書』にて依頼させて頂きます」(ビクトリージャパン)
消費者庁が所管する独立行政法人国民生活センターは、総合的見地から国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行い、消費者と事業者の紛争が起きた場合に、法による解決のための手続を実施することを目的とする機関である。
国民生活センターのテスト結果では、「未開封のまま20℃で1カ月間保管」「開封後に蓋を閉めて放置」「生成器で作った水をコップに移し替える」など、ある状態においた場合に水素濃度が低下することが示されている。そしてテスト結果の冒頭には、こう書かれている。
「水素水には、公的な定義や溶存水素濃度の基準はありませんが、一般的に、水素分子(水素ガス)の濃度を高めた水と言われています」