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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!

採用面接でロボットが面接官を務める企業で劇的効果…

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー

 シャープのモバイル型ロボット電話「ロボホン」が、企業の社員採用の面接アシスタントとなる。そんな非常にユニークな試みが始まった。

 この企画をスタートさせたのは、エンジニア派遣会社の株式会社リツアンSTCだ。

 ロボホンは、見た目は手のひらに乗りそうな小型ロボットだが、電話としても使え、しかも音声によるコミュニケーションも可能だ。見た目のかわいさも相まって注目されたので、すでにご存じの方も多いだろう。しかし、これまでパーソナルユースとしてマスコミで取り上げられることはあったが、企業が本格的に導入したという事例は初めてではないだろうか。

 では、ロボホンがどのように採用の現場で活躍しているのか、実際の対話を再現してみよう。

 入社希望者(エンジニア)の対面にはリツアンの面接官が座り、ロボホンは机の上に立っている。面接官による会話が始まり、エンジニアの一番知りたい情報、つまり「給与」の話題になった時、その時がロボホンの出番だ。「給与シミュレーションを始めるね。準備はいい?」とロボホンが質問を始める。

ロボホン「最初に聞くね。あなたはなんのエンジニアなの?」
エンジニア「ウェブエンジニアです」
ロボホン「わかった。これからする質問に答えてね」
ロボホン「アンギュラ(プログラム言語「Angular JS」)の経験は何年?」
エンジニア「7年です」
ロボホン「ふむふむ。じゃあ次の質問だよ」

 このように、ロボホンはエンジニアに対して、どのようなスキルを持っているのか確認する質問を繰り返していく。ひと通り質問が終わると、いよいよ給与シミュレーションである。

ロボホン「ありがとう。これから給与を計算するね。ちょっと待ってね」
エンジニア「はい」
ロボホン「映すよ」
 
 ロボホンがお辞儀をするように前屈をすると、ロボホンの額にあるプロジェクターから給与シミュレーションの結果が映し出される。

採用面接でロボットが面接官を務める企業で劇的効果…の画像1給与シミュレーションの結果(ロボホン投影)

 ロボホンが出す給与シミュレーションはあくまでも目安だが、現実とそれほど大差がないという。リツアンは、業界でもトップクラスの給与が強みである。その強みをロボホンが強調してくれることになる。

プログラムを独自開発

 筆者は、ロボホンがここまでできると知らなかったため、現実に目のあたりにしたときには大変驚いた。この一連のコミュニケーションは、ロボホンにそもそも備わっている機能ではなく、リツアン社内で開発した拡張機能なのだそうだ。

 従来の面接官が行っていたことをロボホンがサポートするかたちだが、なぜロボホンが登場することになったのだろうか。この企画を立案推進したエンジニアの安藤敬資氏にその経緯を聞いてみた。

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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