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納期5度目の延期のMRJ、債務超過へ…9年間利益ゼロで実質破綻状態、新規受注も困難

文=編集部
納期5度目の延期のMRJ、債務超過へ…9年間利益ゼロで実質破綻状態、新規受注も困難の画像1MRJ90飛行試験1号機(「Wikipedia」より)

 初の国産ジェット旅客機・MRJ(三菱リージョナルジェット)は、果たして飛べるのか――。

 三菱航空機は1月、MRJ初号機の納入時期を2020年半ばまで延期した。これで延期は5度目だ。量産の開始時期も2年先送りした。開発費は膨らみ続け、初号機の納入より先に三菱航空機が債務超過に転落した。6月30日の決算公告で判明した。

 17年3月期の最終損益は511億円の赤字。累積赤字は1510億円に達した。自己資本(資本金500億円、資本剰余金500億円)を上回り、債務超過額は510億円。設立以来、赤字経営が続いている。

【三菱航空機の損益推移】(決算公告に基づく)
※以下、決算期 当期純損失/累積損失
08年3月期 ▲1.3万円/▲1.3万円
09年3月期 ▲64.67億円/▲64.67億円
10年3月期 ▲143.61億円/▲208.28億円
11年3月期 ▲65.90億円/▲274.19億円
12年3月期 ▲43.43億円/▲317.62億円
13年3月期 ▲104.90億円/▲422.52億円
14年3月期 ▲94.05億円/▲516.58億円
15年3月期 ▲177.15億円/▲693.74億円
16年3月期 ▲305.22億円/▲998.96億円
17年3月期 ▲511.87億円/▲1510.83億円

 三菱航空機はMRJの納期が7年ずれ込んだため、売り上げを計上できない期間が想定以上に長引いたことで510億円の債務超過に陥った。開発費用がそのまま累積損失になる。上場企業であれば、債務超過に転落すれば上場廃止→法的処理のコースを辿るところだ。

 三菱航空機は非上場会社のため、東芝のような上場廃止のリスクはない。親会社の三菱重工業が資金の不足分を毎月補填している。三菱航空機の存亡は、三菱重工がいつまで開発費用の支援を続けることができるかにかかっている。

【三菱航空機・出資者及び出資比率】(17年7月1日現在)
三菱重工業 64.0%
三菱商事 10.0%
トヨタ自動車 10.0%
住友商事 5.0%
三井物産 5.0%
東京海上日動火災保険 1.5%
日揮 1.5%
三菱電機 1.0%
三菱ケミカル 1.0%
日本政策投資銀行 1.0%

BusinessJournal編集部

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