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開発コストは5000億円超
三菱重工の宮永俊一社長は、MRJの5度目の納入延期を発表した1月23日の会見で、MRJの開発コストについて、「3~4割増える」との見通しを明らかにした。開発当初は1500~1800億円と想定していたが、納入延期で3000~4000億円と2倍に膨れあがった。5度の延期でさらに膨らみ、5000億円を超える可能性を示唆した。
売り上げが立たない三菱航空機は、開発コストがストレートに累積損失になる。受注した474機の引き渡し予定時期は、18年以降に次々にやってくる。それ以降は、納期の遅れによる違約金の支払いが発生し、赤字幅は一段と膨れ上がっていく。
航空専門家は、三菱航空機が開発費を回収するには800機以上売る必要があると試算している。だが、度重なる納入延期で新規受注は見込めず、かなり厳しい数字だ。
MRJは、一民間企業の新規事業としてはすでに破綻しているとの見方もできるだろう。航空機事業は長期にわたる投資が必要とはいえ、利益を1銭も生まない新規事業を、9年経過しても続けることは民間企業の限界を超えている。
今後、MRJの中長期の展望が描ききれない場合、選択肢は限られてくる。三菱重工が三菱航空機を吸収合併し、MRJを一事業部門にした上で、清算するか、海外の航空機メーカーに売却するかだ。
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