「化け物」ゾゾタウン、「とにかく買わせる」仕掛けの秘密…有名ブランドも大挙して出店
ファッションのインターネット通販サイト、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)を運営するスタートトゥデイ(東証1部上場)が、7月31日に2018年3月期第1四半期(17年4-6月)の決算発表を行った。
足元の業績は絶好調だ。同期の商品取り扱い高は595億円で、対前年同期比40%の伸び、同社の営業利益は79億円で同59%の伸び、対取り扱い高の営業利益率は13.4%(前年同期は11.9%)と、流通業としては優秀な利益率をたたき出している。ちなみにゾゾタウンでは出店企業が商品を販売しているので、商品取り扱い高はスタートトゥデイの売上高とは異なる。また、営業利益の主な部分は、ゾゾタウン出店社の売上に対して徴収する10%の手数料である。
このように取り扱い高、利益率とも異例なほどに好調だが発表を行った栁澤孝旨氏は、3月末に取締役副社長兼CFO(最高財務責任者)に着任したばかりであり、17年3月期の決算発表に続いて、さぞ気分の良い思いをしたのではないか。
創業者の前澤友作社長は次の成長のドライブとして、自社独自のプライベートブランドの投入を明かしているが、その壁を越えて次の段階に登梯していくことは新たな挑戦となる。
企業価値は1兆円を超え、なお急速な成長段階にある
絶好調な決算発表を受けてスタートトゥデイの株価は上昇し、8月1日に企業価値として1兆円に到達した。国内上場企業の時価総額ランキングでは、この時点で124位である。ファッション小売りだけでない流通大手、三越伊勢丹ホールディングス(売上高:約1兆2000億円)と比べても2倍以上だ。グループ社員数832名、平均年齢30.8歳(17年6月末日現在)という組織規模の同社が企業価値としては立派な大企業となり、“日本の100社”入りも視野に入れている、というか近いうちに実現してしまうだろう。
株式市場では大きな存在となってきたスタートトゥデイだが、主要事業であるゾゾタウンの知名度は男性、女性とでは大きく異なっている。ゾゾタウンではメンズも扱っているが、主要顧客は圧倒的に女性とみられる。トレンドファッションEC市場シェアの半分以上を握っているとみられ、若い女性で知らない者はいない。