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「ニトリのモノマネではない」…ヤマダ電機会長、「住まいに関する家1軒まるごとのサービス」を語る

取材=松崎隆司/経済ジャーナリスト 構成=長井雄一朗/ライター
「ニトリのモノマネではない」…ヤマダ電機会長、「住まいに関する家1軒まるごとのサービス」を語るの画像1ヤマダ電機の山田昇会長

「家電」のヤマダ電機が、「家電から快適住空間をトータルコーディネート提案する店」というコンセプトの下で「雑貨・家具」の販売に乗り出した。

 6月、ヤマダ電機は創業の地である群馬県前橋市に家電とモデルハウスやリフォーム、生活雑貨や家具の三位一体型に特化した「インテリアリフォームYAMADA 前橋店」をオープン。“非家電”を打ち出した店舗は初めてで、今後はこの新業態を全国に拡大させる構えだ。

 また、ヤマダ電機は6月に完全子会社のヤマダ不動産を設立しており、賃貸物件や不動産の売買仲介を始めている。さらに、4月からは子会社のヤマダファイナンスサービスが金融事業を開始しており、家電量販店の“冬”の時代に果敢な挑戦を続ける。

 今、ヤマダ電機は何を考え、どこに向かおうとしているのか。創業者で代表取締役会長兼取締役会議長の山田昇氏に聞いた。

狙うは「住まいに関する家1軒まるごとのサービス」

――アマゾンなどのインターネット通販が台頭するなか、家電量販店はかつてないほど厳しい時代を迎えています。現在の情勢を受けて、ヤマダ電機はどのような改革を進めますか。

山田昇氏(以下、山田) 家電事業に特化していえば、日本は欧米や中国と比較して、もっともネットおよび国内の社会的変化の影響を受けています。日本は歴史上経験したことのない少子高齢化が進行しており、その上アマゾンなどのネット店舗が大変な勢いでリアル店舗の商圏を駆逐しようとしています。ここで改革を推進しなければ、リアル店舗の保有はビジネス上で大きな不利になります。

 ヤマダ電機の強みは、配送や家電の設置などで家の中に入り、お客様の家族構成や所得状況、家電設置状況、職業などを把握できることです。それにより、お客様の情報を“見える化”することができます。

 また、ネット店舗ではプレゼンテーションができません。ヤマダ電機では約2万人の従業員が働いており、それぞれが高いプレゼン能力を持っています。今はメーカーも「ネット」と「家電量販店」というふうに自社の製品の棲み分けを行っています。

 家電量販店は、メーカーに代わってお客様にサービスを行い、買い換えサイクルを伸ばしています。特にヤマダ電機は、リアル店舗ならではのサービスを行っています。

 リアル店舗とネット店舗の競合について、今はやや落ち着いているのではないでしょうか。しかしながら、ここで何もしなければ、来店するお客様の数は減少します。

 そこで、新規ビジネスとして、リフォーム事業、スマートハウス事業、金融サービス事業に加え、「インテリアリフォームYAMADA 前橋店」をオープンさせました。同店は家電との親和性が高い生活雑貨や家具、リフォーム、住宅に特化させており、住宅および住宅関連機器にかかわる商材全般を提供する体制を整えています。

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