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「ニトリのモノマネではない」…ヤマダ電機会長、「住まいに関する家1軒まるごとのサービス」を語る

取材=松崎隆司/経済ジャーナリスト 構成=長井雄一朗/ライター

――すると、今後は「住まいに関する家1軒まるごとのサービス」一体型店舗が増えることになりそうですね。ヤマダ電機の生き残りや再生について、大きな分岐点になるのではないでしょうか。

山田 9月には、茨城県ひたちなか市に「住まいに関する家1軒まるごとのサービス」一体型店舗をオープンしました。

 周囲にはホームセンターやインテリア・家具の専門店があり、ライバル店がひしめく立地です。売場面積は約1500坪で、品揃えで対抗しようとしても勝てません。やはり、ヤマダ電機の強みはコンセプトを生かした「住まいに関する家1軒まるごとのサービス」を提供するという点です。

 ヤマダ電機グループは国内外に1万2075店舗をかまえ、会員数は全国最大規模の約5000万人です。今後は、「家電と住宅関連」の複合店を可能な限り増やしていきます。

 家具はコンセプトを明確にし、住宅関連の商材やリフォームに伴うシステムキッチン、太陽光発電など「住まいに関する家1軒まるごとのサービス」を展開します。

「構造改革は道半ば」現場主義の徹底で達成へ

――住宅部門については、どのような悩みがありますか。

山田 家電製品と異なり、住宅部門は種まきに時間がかかることです。すぐにいい成績を挙げることはできません。最初は、チラシ配布や外回りの営業から始まります。

 他社さんは呼び込みもやっていたので、当然「うちでもやれ」と厳命しました。「人材が不足している」という声もあったので、新卒・中途採用を積極的に行った結果、今年7月からは業績が上向き始めています。

――そこで、一連の構造改革の手応えはいかがですか。

山田 成果が顕在化しつつありますが、構造改革は道半ばです。大切なのは、現場主義に基づいた構造改革です。真に現場主義に徹して、やるべき方針の実行を徹底することで改革は達成できると確信しています。

 しかし、これは私がオーナーだからこそできることです。雇われ社長は1年や2年単位での短期的成果が求められますが、オーナーは長期スパンでの経営が可能です。

 16年1月からは、私が「新規ビジネスの創出」、一宮忠男代表取締役副会長が「構造改革と中期経営計画の推進」、桑野光正代表取締役社長が「既存ビジネスと人材育成」をそれぞれ担当する3代表制を採っています。3代表の連携と進捗により、構造改革の手応えは十分に感じています。

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