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東大、職員4800人雇い止めで失職も…組合と大学側が全面対決、国の働き方改革に逆行

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東京大学安田講堂(「Thinkstock」より)

 東京大学で、政府の進める「働き方改革」に反することが行われようとしているという。詳しく話を聞こうと、東大に向かった。

 赤門をくぐり、三四郎池や安田講堂を見ながら、広大な本郷キャンパスの奥まで進んでいく。周囲と比べると、こぢんまりとした3階建ての建物。入っていくと左右ともにある階段がカーブしながら2階に続いている。2階は生協第2食堂。3階まで上ると、そこから廊下が続いている。古ぼけたソファーや家具、電子オルガンやシタールまでが無造作に置かれている。「楽器は決められた場所で演奏してください」の貼り紙があった。どこかからバイオリンを奏でる音が聞こえてくる。どこの大学も小ぎれいになり、東大も例外ではないだろうが、この一角には昔の大学の空気が流れている気がした。

 長く垂れ下がった白い布暖簾の向こうが、東京大学教職員組合書記局である。入っていくと、執行委員長の佐々木彈氏(社会科学研究所教授)と書記長の高橋登氏(工学系研究科技術専門員)が迎えてくれた。小学生ほどの少年がその部屋にはいる。組合職員のお子さんらしい。

 働き方改革に逆行する東大本部のあり方について、2人は語る。

「男女共同参画とか、一億総活躍、働き方の多様化という世の中の流れに、東大がひとりで逆行しようという企てとしか思えないです」(佐々木氏)

「仕事の内容をよく理解していないから、パートタイムというだけで、単純な作業しかしていないと思い込んでいるんです。実際は常勤職員と同じことをやっていて、長い経験がありますから、常勤職員にスキルを教えていたりします。上は3年くらいで異動するので、深くはわからないのです」(高橋氏)

 2013年4月1日に施行された「改正労働契約法」によって、パートタイムやアルバイト、契約社員、準社員、パートナー社員、メイト社員など、雇用期間の定められた有期契約労働者が、契約の更新の繰り返しによって通算5年を超えた場合、本人の申し込みがあった場合は無期労働契約(期間の定めのない労働契約)に転換しなければならなくなった。働き方が多様化していることを踏まえ、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇の差を少しでも埋めようとする施策である。

 契約期間のカウントは、施行の日から始まる。来年4月から、5年間契約期間が続いた有期雇用労働者に無期転換への申し込みの権利が発生する。東大では、その権利が発生する前に5年で雇い止めする規則を設けていたのだ。これによって、1年に約1000人、5年間で約4800人の有期労働者が職を失うことになる。

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