ビジネスジャーナル > エンタメニュース > 菅野美穂の演技がすごすぎる!
NEW

『監獄のお姫さま』、菅野美穂の憑依演技で視聴率爆増!結末予想不能のまま最終回へ

文=吉川織部/ドラマウォッチャー
『監獄のお姫さま』、菅野美穂の憑依演技で視聴率爆増!結末予想不能のまま最終回への画像1『監獄のお姫さま』公式サイトより

 小泉今日子主演の連続テレビドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第9話が12日に放送され、平均視聴率は8.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。前回の6.6%から1.6ポイントのアップとなった。

 これまではカヨ(小泉)たちが収監されていた当時の回想と現在を行ったり来たりしながら話が進んできたが、ついに第9話で回想が現在に追いついた。しのぶ(夏帆)を不憫に思ったふたば(満島ひかり)は、吾郎(伊勢谷友介)には内緒で勇介を面会に連れてきてほしいとの手紙をしのぶの母に送る。だが、後日面会室にやって来たのは勇介ではなく吾郎だった。それに気付いたふたばは面会室に走るが、すでに吾郎の姿はなく、無実を訴えていたはずのしのぶは「やっぱり私犯人です」とうつろな目で力なくつぶやくばかりだった。そこから時は流れ、2017年のクリスマスの日。ふたばの主導により、吾郎の“プレ裁判”が始まった。

 第9話最大の見どころは、ラスト直前にやってきた。吾郎の元恋人・ユキ(雛形あきこ)が最期に吾郎と交わしたであろう会話を、千夏(菅野美穂)が再現する場面だ。暗い崖の上で冷たい言葉を吐くユキの姿と、イスに縛り付けられた吾郎の前で彼を責め立てる千夏の姿とが交互に映し出されたが、菅野の台詞回しは恐ろしいほど雛形に瓜二つ。千夏としてのこれまでの役柄とはまったく異なり、まさに雛形が憑依したかのような圧巻の演技。2人の姿を交互に映す演出も相まって、過去と現在、現実と虚構が入り混じる不思議な世界を醸し出した。視聴者の反響も大きく、Twitterには「雛形あきこと菅野美穂が見事にシンクロしてる」「菅野美穂の憑依こわい」「2人の芝居が重なるところは鳥肌が立った」「女優菅野美穂の真骨頂」など、絶賛の声が多くみられた。

 本人たちしか知らないはずの会話を、なぜ千夏が知っていたのかという疑問はあるが、おそらく「千夏は2人の会話を知っていたわけではない」というのが正解なのではないかと思われる。これまでの推理に基づき、ユキが言ったであろうそれらしい台詞を吐いて吾郎を動揺させようとした、というところではないだろうか。第8話までは吾郎は真犯人ではないという説も有力だったが、第9話では吾郎が嘘つきでかなりのクズ人間であったことが明らかになり、やはり真犯人である可能性がグンと高くなった。吾郎は「証拠が出るまで認めないよ、私は」とうそぶくが、これは実質的な自供とも受け取れる。

 とはいえ、最初から吾郎を真犯人だと思わせておいて、本当に真犯人だったというオチではあまりにもひねりがないような気もする。千夏によるユキの再現をずっと聞いていた吾郎が「それじゃダメなんだ!」と叫んだ意味も不可解だし、しのぶは本当に吾郎にマインドコントロールされていたのかどうかも、はっきりとはわからない。自身が封印していた記憶を思い出したことで、自分が真犯人だと気付いたようにも受け取れるつくりになっているからだ。また、しのぶが産んだ勇介(前田虎徹)は、本当に吾郎の子どもなのかという問題も解決されていない。吾郎がすべての元凶のように見えるのはすべてミスリードである可能性もある。

 考えれば考えるほど何もかもが疑わしく思えてくるが、それこそが脚本・宮藤官九郎のもくろみ通りなのかもしれない。どう決着するのかまったく予想がつかない最終回も注目したい。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

『監獄のお姫さま』、菅野美穂の憑依演技で視聴率爆増!結末予想不能のまま最終回へのページです。ビジネスジャーナルは、エンタメ、, , , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!