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三井物産の凋落、社内で「役員総退陣論」高まる 伊藤忠、「ポスト岡藤社長」は岡藤

文=編集部
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三井物産の凋落、社内で「役員総退陣論」高まる 伊藤忠、「ポスト岡藤社長」は岡藤の画像1三井物産が本社機能を置く日本生命丸の内ガーデンタワー(「Wikipedia」より/EXECUTOR)

 総合商社の首脳人事が早くも動き出した。

 住友商事は兵頭誠之専務執行役員が4月1日付で社長に昇格する。中村邦晴社長は代表権のある会長に就任し、大森一夫会長は相談役になる。兵頭氏は取締役ではないので、6月の株主総会で取締役に選任後、代表権を持つ。中村氏は総会後に代表権のない会長になる。

 住商には「社長執行役員の在任期間は原則6年を超えない」という内規がある。そのため、今年6月で就任から6年を迎える中村社長が株主総会後に交代するのは既定の路線だった。

 住商では昔から、金属部門(鉄鋼・鋼管)の出身で、米州トップか経営企画室を経験することが社長へのパスポートといわれてきた。中村社長は自動車部門出身という傍流で、しかも前社長の体調不良によって緊急登板した経緯がある。社内基盤は弱く、金属部門の幹部は中村社長の頭越しに実力者の岡素之相談役を訪ね根回しをしていた。

“ポスト中村”の本命は、住商本流の金属部門出身の南部智一専務執行役員(82年入社、メディア・生活関連部長)で、対抗が中村社長と同じ自動車部門出身の田渕正朗専務執行役員(80年入社、コーポレート部門、企画担当役員)。ダークホースが、電力畑の兵頭専務(84年入社、環境・インフラ事業部門長)とみられていた。

 南部専務は2017年の役員人事で米州トップから現職に転じた。田渕専務は企画担当役員として3年目を迎える。兵頭専務は17年の役員人事で経営企画部長から現職を任された。

 田渕専務を社長に昇格させた場合、「同じ自動車部門の側近を社長に据えた」との“院政批判”が起きるのは必至。南部氏を社長にすれば「金属部門への大政奉還」となるため、中村社長は避けたかったようだ。

 そこで中村社長が選択したのは第三の道。本命、対抗を外して、ダークホースの兵頭氏を社長に抜擢したのだ。兵頭氏は京都大学大学院工学研究科卒。電力分野の経験が長く、インドネシアで大型の石炭火力発電所を手がけた。執行役員就任後は、社長への登竜門である経営企画部長として業績の立て直しに奔走した。

 住商の社長としては初めての理系出身者である。「あらゆるモノがインターネットでつながるIOT(モノのインターネット)やAI(人工知能)技術を取り込み成長につなげる」と意気込みを語っている。

BusinessJournal編集部

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