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楽天市場、店舗撤退ラッシュの予兆…高額な「楽天税」上納に嫌気、使いづらさもアダに

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

 楽天アマゾンに対抗するため、矢継ぎ早に事業拡大策を打ち出している。

 出版取次3位の大阪屋栗田を楽天が買収すると、3月31日付日本経済新聞が報じた。楽天は大阪屋栗田の筆頭株主で、35.19%出資している。日経新聞の報道によると、大阪屋栗田が4月にも実施する第三者割当増資に、楽天のほか講談社など大手出版4社が応じ、楽天は出資比率を5割超に高めて子会社化するという。

 そのとおりに進んだとしたら、楽天とアマゾンの戦いが今まで以上に激しさを増すことになるだろう。

 アマゾンは、取次会社を介さずに出版社から直接、本を仕入れる動きを強めている。印刷工場から直接取り寄せる仕組みの構築も始めており、“取次外し”を加速させている状況だ。消費者に常時、できるだけ早く本を届ける体制を整えるためであり、消費者にとってはありがたい話ではあるのだが、取次にしてみれば経営の根幹を揺るがす事態といえるだろう。

 一方、楽天はアマゾンとは逆に取次との関係を深めており、取次の取引先のリアル書店との関係も強化している。たとえば、楽天は「レベニューシェア」と呼ばれる仕組みを導入し、消費者が本を書店で直接買わず、書店において専用端末を使って楽天を通して買った場合でも売り上げの一部を書店に還元するなど、書店とウィンウィンの関係を築くことに注力している。これにより提携する書店が増えるので、消費者が商品を受け取ることができる拠点が増えるというメリットもある。

 1月には米ウォルマート・ストアーズ(現ウォルマート)と日本でネットスーパーを展開すると発表した。ウォルマート傘下の西友と共同出資で新会社を設立し、9月までに「楽天西友ネットスーパー」を始める。

 西友の実店舗からの配送に加え、ネットスーパー専用の配送センターを年内に設立し、配送拠点にする考えだ。西友の強みでもある生鮮食品や日用品のほか、楽天のサイトで扱う地域産品なども取り揃えるという。「楽天スーパーポイント」も使えるようにする。

 対するアマゾンは、昨年4月から生鮮品などを販売・配送するサービス「Amazonフレッシュ」を始めている。日用品や雑貨も取り扱う。専門店のこだわりの食品や輸入品などを扱っているのも特徴的だ。

 さらに楽天は、昨年12月には家電量販店のビックカメラと組み、家電専門の通販サイト「楽天ビック」を開設すると発表した。ビックカメラはすでに単独で通販サイトを運営し、楽天のインターネット通販サイト「楽天市場」に出店しているが、より利便性を高めたサービスを展開するため、楽天と共同で通販サイトを立ち上げる。

 消費者が商品の購入に加え、自宅での設置工事も申し込めるようにするほか、楽天ビック上でビックカメラ実店舗の商品在庫を確認できたり、購入した商品をビックカメラで受け取れるようにする。ビックカメラの実店舗で楽天スーパーポイントを貯めたり使ったりできるようにもする。ネットと実店舗を融合することで、アマゾンとの差別化を図る考えだ。

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