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スルガ銀行不正融資、社長は会見で「わからない」連発…融資先への高利ローン強制や資料改竄発覚

文=編集部
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スルガ銀行不正融資、社長は会見で「わからない」連発…融資先への高利ローン強制や資料改竄発覚の画像1スルガ銀行(「wikipedia」より/Kamonegi101.3))

 15日にスルガ銀行が発表した、「かぼちゃの馬車」への融資問題に関する「経過報告」と「スルガ銀行危機管理委員会(委員長・久保利英明弁護士)による調査結果の要旨」は、以下のとおりだ。

経過報告

 2018年3月末時点で、スマートデイズ分を含めたシェアハウス案件の融資先は1258人、融資残高は2035億8700万円。スマートデイズの関連融資が約6割の1200億円を占める。

【営業審査の体制】
当社(スルガ銀行)はシェアハウス関連融資の営業推進にあたり、不動産業者を窓口とした営業を活用してきたが、土地売買価格の水増しや自己資金確認資料の改竄といった不正が行われていた。増収増益を継続しなければならないというプレッシャーから、営業部門の幹部が審査部に圧力をかけるような状況を生じ、審査機能が十分に発揮されなかった。

【法令順守体制】
当社では、自己資金確認資料(通帳等)については、原本確認を行うことになっていたのに手続きが省略された。営業社員の中には、通帳などの自己資金確認資料やその他当社に提出される資料が偽造・改竄された可能性があるとの疑念を抱いていたものも確認された。これらの事実については、相当数の社員が認識していた可能性が認められる。

顧客と不動産業者との間で、土地売買契約締結に際して、正規の売買契約書とは別に、当社から過剰融資を引き出すための「銀行提出用の契約書」などが締結されていたことが確認された(二重契約)。二重契約の存在については、相当数の社員が、その可能性を認識していたと考えられる。

【経営責任】
第三者委員会の調査結果と金融庁の検査結果を待って、役員の経営責任について厳しい対応を取る。

危機管理委の調査結果

【調査スコープ】
・横浜東口支店、渋谷支店、二子玉川支店(東京都)のシェアハウス案件
・審査・営業推進体制
・内部統制等

【指摘事項】
スマートデイズは、オーナーに対してシェアハウスの建設用の土地を販売するまでの転売過程において、自ら(またはその関連会社)が中間の買い受け人となり、その利ザヤを、空室となっている他物件の保証賃料に補填していたものと推察される。今から見れば「自転車操業」だ。

スマートデイズ関連の販売会社(不動産業者)により、顧客が融資を受けるに際してスルガ銀行に提出する通帳等の偽造・改竄が相当数存在する。

【原因】
スマートデイズが個人投資家を銀行に紹介する「チャネル営業」は、銀行にとって便利な存在だったが、販売会社が不動産の価格を転売などでつり上げ、顧客は相当に割高な価格で購入した可能性がある。

一方、二重契約によってスルガ銀行から過大な融資が引き出され、銀行は回収リスクの高い債権をつかまされた。その危険性を認識せず、スマートデイズとの一体営業にのめり込んだリスク意識の欠如が今回の事態を招いた。営業現場では融資実行残高の至上主義が当然とされた。審査や内部監査などは機能不全状態で、問題を指摘する外部からの情報提供が何度もあったが、2017年2月まで取締役会などで議論しなかった

BusinessJournal編集部

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