●「国産スマホ」いよいよ土俵際 キャリア密着の製品開発で競争力失った – J-CASTニュース(9月7日)
アップルやサムスンの陰に隠れ、元気のない国内スマートフォンメーカー。かつては国内の携帯電話シェアのトップを誇っていたNECは、スマートフォン事業から撤退を決定。パナソニックも個人向けスマホ事業から手を引くと報じられている。
2012年度の国内スマホシェアは、アップルの35.9%に比較し、2位の富士通はわずか13%。世界市場では、トップ5に日本企業の名前はない。いったい、どうしてこんな状況を招いてしまったのだろうか?
青森公立大学経営経済学部の木暮祐一准教授は、この凋落の理由を「キャリア主導による開発体制」が一因ではないかと見る。従来から、国内市場ではドコモなどのキャリアが主導となって新商品発表会などが開催されてきた。キャリアを重視し、国内市場での競争を中心に考えるあまり「自分たちで独創性あふれる製品を開発するのが難しくなっていたのではないか」というのが小暮氏の見立てだ。
●ソニー:ヒットは黒子役-アップル、サムスンスマホに電子の目 – Bloomberg(9月2日)
惨憺たる状況の日本メーカーだが、実はソニーが好調であることは知られていない。iPhoneやGalaxyなどのスマートフォンや、タブレット端末に組み込まれているカメラ用センサー「CMOSイメージセンサー」が大ヒットしており、世界でおよそ3割のシェアを獲得している。同社平井一夫社長は、イメージセンサーを含むイメージ関連事業を重要領域のひとつに位置付けており、生産するセンサーの実に8割がソニー製品以外で使用されている。
「映像のソニー」として、技術力が他社を圧倒しているソニーのイメージセンサー事業。スマホ本体ではアップル、サムスン、LG電子などに押されっぱなしだが、その内部ではまだまだメイド・イン・ジャパンの技術が活躍しているようだ。
●加ブラックベリー、企業連合への身売りで基本合意、株式非公開に–47億ドル – ウォール・ストリート・ジャーナル(9月24日)
日本メーカーと同様に、時代に適応しきれなかったのがカナダのブラックベリー社。スマートフォンの草分け的な存在で、09年には世界シェアの20%を誇ったものの、ここ数年アップル、サムスンなどに押され、業績は悪化。近年のシェアは2.9%にまで減少していた。
この業績不振を理由に、同社は企業連合による約47億ドルでの買収に合意。ひとつの時代が静かに幕を閉じた。
●Xiaomi:アップルとサムスンを脅かす企業 – WIRED(9月19日)
旧勢力が辛酸をなめる中、10年に産声を上げたばかりの中国のスマホメーカー・シャオミ(小米)が急成長を遂げている。iPhoneやGalaxyなど、先行する端末に負けず劣らずの性能を有しながら、値段はGalaxyのほぼ半額。中国市場のみならず、ヨーロッパ市場でもその存在感を示しつつある。12年の中国での売上は20億ドル、700万台ものスマートフォンを販売しており、13年の販売目標は1500万台。中国国内では、すでにアップルのシェアを抜き去ってしまった。
その価格と性能で、このまま順調に世界市場でのプレゼンスを拡大していくのか? ポストAppleの最右翼として熱い視線が注がれている。
(文=萩原雄太/かもめマシーン)