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日本企業もAppleざまぁとは言ってられない…

iPhone5出荷量40%減!? Appleの大失速でシャープ再建も暗礁に

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(「足成」より)

 高成長を続けてきた米アップルが失速した。1月25日の米国株式市場でアップルの時価総額は米石油大手エクソンモービルに抜かれ、首位の座を明け渡した。

 アップルの終値は439ドル。終値に発行済み株式数を掛け合わせた時価総額は4130億ドル(約37兆6000億円=1ドル91円で換算)となり、エクソンの4180億ドルを下回った。アップルの株価は昨年9月に705ドルに上昇し、時価総額は6500億ドル(約59兆2000億円)に達していたが、わずか4カ月で2370億ドル(約21兆6000億円)が吹き飛んだ計算だ。

 失速した原因は、昨年9月に発売した看板商品の新型スマートフォン(スマホ=高機能携帯電話)iPhone 5の販売で、苦戦との見方が広がったことだ。1月中旬に「アップルが液晶パネルメーカーのジャパンディスプレイとシャープに対して、1~3月期の発注量を当初計画(合計で6500万台分)の半分に減らすと通告した」と報道されたのがきっかけ。

 iPhone 5の出荷台数は、発売直後の10~12月の3カ月間で、推定4500万台。しかし2013年1~3月は2500~2800万台と、半年もたたないうちに約40%ほども減る可能性が出てきた。

 米調査会社ABIリサーチが1月17日に発表した世界のスマホ市場見通しでは、アップルのシェアは13年には22%へとわずかに増える(12年末は20%弱)が、その後は横ばい。首位の韓国サムスン電子は、12年の33%から18年に45%まで上昇すると予測している。

 先進国のスマホ需要が一服。新興国や途上国が主戦場となり、売れ筋も低価格機種に移ってきた。先進国、高価格モデルと位置付けられたiPhoneのアップルのシェアが伸び悩むのは、こうした理由からだ。対して、サムスンは高価格品から中・低価格帯の機種まで幅広い品揃えをして、新興国市場を開拓してきた。

 アップルのティム・クックCEOは1月上旬、訪中した。世界最大、7億人の携帯電話利用者を抱える市場を見据えた動きで、中国移動通信集団(チャイナモバイル)などのトップにi Phone5を売り込んだ。チャイナモバイルは、i Phone5を扱っていない。

「アップル経済圏が巨大化して、制御不能に陥っているのではないか。この根本的な疑問に、アップルがどう答えるかを見極めたい」として投資家が手持ちしているアップル株式を売ったため株価が急落したと、外資系証券会社のアナリストは分析している。

 ハイテク製品の世界では、勝ち続けるのが非常に難しい。今日の勝者が明日の敗者になる。黒が一気に白に置き換わる、オセロ型ビジネスなのである。かつて携帯電話はフィンランドのノキアが世界のトップを快走していたが、スマホ時代になりアップルが大躍進。そのアップルをサムスン電子が逆転した。しかもスマホの将来は、アップルとサムスンのシェア争いで決まるといった単純な構図ではなくなった。

“プレステ(プレイステーション)の父”と呼ばれた、元ソニー副社長の久夛良木健氏のインタビュー「スマートフォンの時代は終わる」(日経ビジネスオンライン1月29日付)がスマホ業界に衝撃を与えた。クラウド・コンピューティングが加速することで、ネット社会の主役はスマホやタブレット端末ではなくなると予言。エレクトロニクスメーカーが復活するカギはクラウドにあると結論づけている。

 クラウドとはデータの保存、処理などをインターネット上で行う仕組み。データを保存するサーバー群を雲(英語でクラウド)に例えたことに由来する。クラウドを制する者がITを制する。これがネット社会の未来図らしいのだ。