「理系」と呼ばれる人たちの言動を観察していると、その妙な発想や癖のある嗜好や考え方から独特な雰囲気を醸し出していると思う人もいるのではないか。例えば、東野圭吾氏原作のテレビドラマ『ガリレオ』で福山雅治さん演じる主人公・湯川学は、その典型ともいえる。
そんな理系の習癖を紹介しているのが『理系あるある』(小谷太郎/著、幻冬舎/刊)だ。
本書では、理系の人なら実の簿絵のある「あるある」な行動や習性を蒐集し、その背後の科学的論理を解説する。
■花火を見たら「きれい!」よりも「元素」
花火は炎色反応の応用だ。ストロチウムは深紅、銅は青、ナトリウムは黄、バリウムは青緑というように、ある種の金属は炎にかざすと、炎が鮮やかな色に変わる。これを「炎色反応」という。
理系の人たちにとって、この理科の花火への応用は、面白くて堪えられないという。夜空に咲く大輪の花火を見ると嬉しくなって、ストロンチウムとかナトリウムとか、あれは銅とか、いやバリウムかもとか、元素の名称を唱えだす。
なぜ、こんな場でそんな無粋なものを持ち出すのか、周囲は理解に苦しむが、実は当人は大変花火に感銘を受けているのだ。花火の原理を知っているために、より深く感銘を受けている…といえるかもしれない。
■料理でも理系コメントが頻発
料理は理科の知識と思考が総動員される実践分野だ。
切る・焼く・煮る・蒸す、どのプロセスにも科学的な裏付けがあるし、キッチンには、冷蔵庫、電子レンジ、IH式炊飯器など、テクノロジーの応用がたくさん置かれている。料理もある種の理系の人たちを魅了しているのだ。
卵を茹でながら「卵を茹でると固まるのはタンパク質が熱凝固するからだよ」とか、「白身の方が固まる温度が低くて80℃以下なんだよ」とか、「白身が先に固まる様子はベッセル関数で表わされるんだよ」…などといった具合に理系コメントが飛び出すことだろう。
卵を茹でる過程を数学的に表した解について語るという理系ならではの習性なのだ。
日常生活のあらゆるところに理系の応用が活用されている。その1つ1つに理系の人たちは、楽しんでいたり、感銘を受けたりしているのだろう。
本書に紹介されているエピソードの数々は、まさに「あるある」と周囲にいる理系の人を思い浮かべるのではないだろうか。理系の人を変わった人だなと思うだけではなく、話を聞いてみると、深くて面白い話が聞けるはずだ。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。