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碓井広義「ひとことでは言えない」

いつも厳しい顔の北川景子 全身に怒り、容易に他人を寄せつけず

文=碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授

 9月に入って、今期の連続テレビドラマも終盤に差しかかってきた。“異色の探偵”が活躍する2本の探偵ドラマにも、ラストが近づいている。彼女、彼らの異能ぶりを見ておくなら、今のうちだ。

『探偵の探偵』(フジテレビ系)

 『万能鑑定士Q』シリーズ(角川文庫)などで知られる、松岡圭祐の同名小説が原作。まず、「探偵の悪事を暴く探偵」という設定がなんともユニークだ。確かに、すべての探偵がシャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロのような人物とは限らない。いや、そんなにレトロでなくても、世の中には悪徳探偵や犯罪に手を染める探偵がいてもおかしくない。

 主人公の紗崎玲奈(北川景子)は、スマ・リサーチ社が運営する探偵スクールを卒業し、そのまま入社した。配属されたのが、まさに探偵を探偵する「対探偵課」だった。

 玲奈が仕事に打ち込むのには理由があった。かつて高校生だった妹(芳根京子)が惨殺され、その事件の背後に、大物探偵として業界に君臨する阿比留佳則(ユースケ・サンタマリアが怪演)の存在があったのだ。警察からも信頼され、捜査に関与する阿比留への復讐こそが、この物語の主軸である。

 普段、玲奈はほとんど笑顔を見せない。いつも厳しい顔をしている。その全身に怒りのオーラをまとい、容易に他人を寄せつけない。また、身の危険を顧みることもない。

 そんなヒロインを、北川はキレのいい本格的なアクションを披露しながら見事に演じている。『HERO』(フジテレビ系)でキムタクをサポートする事務官も結構だが、こちらのほうがよほどハマリ役だ。

 先日、警察の人間でありながら、阿比留への疑念を抱いていた刑事・窪塚悠馬(三浦貴大)が殉職した。この三浦もそうだが、探偵社の社長を演じる井浦新や助手の川口春奈など、脇役たちの好演も、北川とこのドラマを支えている。ラストに向かって楽しみな一本だ。

『僕らプレイボーイズ熟年探偵社』(テレビ東京系)

 若者や女性をターゲットとしたドラマが目立つ中で、『三匹のおっさん』に続く、テレビ東京らしい独自路線といえるのが『僕らプレイボーイズ 熟年探偵社』である。

碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授

碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授

1955(昭和30)年、長野県生まれ。メディア文化評論家。2020(令和2)年3月まで上智大学文学部新聞学科教授(メディア文化論)。慶應義塾大学法学部政治学科卒。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。1981年、テレビマンユニオンに参加、以後20年間ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に『人間ドキュメント 夏目雅子物語』など。著書に『テレビの教科書』、『ドラマへの遺言』(倉本聰との共著)など、編著に『倉本聰の言葉――ドラマの中の名言』がある。

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