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日産ゴーン保釈→再逮捕、検察と裁判所の“筋書き通り”…弁護人辞任なら“孤立無援”の悪夢

文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
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日産ゴーン保釈→再逮捕、検察と裁判所の“筋書き通り”…弁護人辞任なら“孤立無援”の悪夢の画像1カルロス・ゴーン被告を保釈 弁護士事務所を訪問(写真:日刊現代/アフロ)

 検察は意地でも“あの男”を叩き潰すつもりなのか――。

 金融商品取引法違反と会社法違反の容疑で起訴されていた日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が、再び逮捕される見通しだと一斉に報じられた。先月6日に保釈されてから約1カ月、4回目となる逮捕によって、ゴーン氏は再び勾留生活を送ることになるのか。

 今回の逮捕容疑は、ゴーン氏が主導してオマーンの友人側に日産資金を不正に支出するなど、会社法違反(特別背任)の疑いがあるというもの。資金の一部がゴーン氏に流れ、ゴーン氏がそれを私的に流用した疑いがあるという。

 具体的には、日産のゴーンCEO(当時)は自身が直轄する「CEOリザーブ」という予備費から、ゴーン氏の友人が経営するオマーンの販売代理店、スハイル・バハワン自動車(SBA)に複数回にわたり計約35億円を支出していたという疑い。ゴーン氏は2009年、その友人から私的に約30億円を借り入れ、ゴーン氏個人の借金返済に充てられた可能性もあるとみられている。

 また、SBA幹部が代表を務めるレバノンの投資会社に、このSBA幹部の個人口座から計数十億円が送金され、このうちの約9億円がゴーン氏の妻が代表を務める会社に流れ、大型クルーザー(約16億円)の購入費に充てられたという。

「ゴーン氏が主導したとされるオマーン販売代理店への不正支出については、仏ルノーが仏検察当局に通報をしたことが昨日明らかになったばかりで、フランスでの動きとタイミングを合わせて、日本の検察も逮捕に踏み切ったとみられています。ゴーン氏が保釈される際の条件として、消去隠滅を防ぐために、住居に監視カメラを設置したり、携帯電話やPCのインターネット利用に制限をかけるなどの措置が取られましたが、現在、ゴーン氏は毎日のように自由に外出してホテルで食事をしたりしているので、外部の人間との接触は自由に行えます。携帯電話で誰かと長電話する様子もみられ、消去隠滅を行っている可能性も否定できません。

 そうしたなかで昨日、ゴーン氏の代理人である弘中惇一郎弁護士が会見を行い、法人としての日産との公判分離を東京地裁に申し立てたことや、ゴーン氏の会見を近日中に開くことを明かしました。すでに特別背任の容疑でも起訴している検察だけに、『ゴーン氏サイドにこれ以上好き勝手にはさせない』という強い意思を感じます。もっとも、あの検察がゴーン氏の好き勝手にさせておくはずもなく、今回の再逮捕は“検察側の筋書き通り”という見方が大半です。

 ちなみに、なかなか言うことを聞かないゴーン氏と代理人弁護士の間に溝ができつつあるという情報もあり、弘中弁護士は過去にも依頼人との方針の食い違いを理由に途中で弁護を降りたケースもあるので、代理人が弁護を降りてしまい、ゴーン氏が事実上孤立無援の戦いを強いられる可能性も指摘されています」(新聞記者)

 急転直下の再逮捕にもみえるが、今回の検察の動きをどうみるか。弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士の山岸純氏に解説してもらった。

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