ビジネスジャーナル > 社会ニュース > ゴーン再逮捕、検察の筋書き通り  > 2ページ目
NEW

日産ゴーン保釈→再逮捕、検察と裁判所の“筋書き通り”…弁護人辞任なら“孤立無援”の悪夢

文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
【この記事のキーワード】, ,

山岸弁護士の解説

 今回の再逮捕は、私が3月6日付当サイト記事『日産ゴーン氏保釈、別の容疑で再び逮捕の可能性も…一部でも無罪なら検察特捜部は混乱』内で「検察側も保釈は想定していたでしょうし、きっと次のカード(別の容疑での逮捕)もある」とコメントしていたとおりです。ゴーン氏が罪を認めず対決姿勢をとっている以上、エリート集団である検察がわざわざ手をこまねいて何もせずに公判期日を待っているわけがありません。

 おそらく今回の逮捕について、国内外のマスコミや団体が「不当だ! 人権侵害だ!」などと騒ぎ出すことでしょう。確かに“人質司法”と非難される日本ですが、なんの問題もないからこそ、東京地裁刑事14部(令状部)が逮捕状を発布しているわけで、刑事訴訟法というルールに則って、すでに保釈された容疑(犯罪)についてではなく、別な容疑(犯罪)についての罪証隠滅や逃亡の恐れを理由に逮捕するのです。国会が制定し、現時点では最高裁も違憲判断をしていない刑事訴訟法というルールに則った手続きを経ている以上、抗議や非難は余計なお世話です。

 結局のところ、検察が、弘中先生チームによる保釈申請と保釈の成功に対し何の準備もしていないわけがなかった、というだけのことです。

 うがった見方をすれば、一連の東京地裁の判断は、世論の非難を避けるべく弘中先生チームに「保釈」という花を持たせ、ゴーン氏にも家族とのひと時を与え、でも別な容疑(犯罪)ということで新しい逮捕状を発布することで検察側の事情(すべての容疑が解明しているわけではない)も斟酌し、バランスをとったのではないでしょうか。

(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

日産ゴーン保釈→再逮捕、検察と裁判所の“筋書き通り”…弁護人辞任なら“孤立無援”の悪夢の画像2
●山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。弁護士法人ALG&Associates執行役員として法律事務所を経営し、また同法人によせられる離婚相談相続問題刑事問題を取り扱う民事・刑事事業部長として後輩の指導・育成も行っている。芸能などのニュースに関して、TVやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。弁護士としては、企業法務交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験を様々な方面で活かしている。

日産ゴーン保釈→再逮捕、検察と裁判所の“筋書き通り”…弁護人辞任なら“孤立無援”の悪夢のページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!