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次に売却候補として取り沙汰されたのは日立建機だ。グループ企業のなかでは稼ぎ頭となっている。
北米やアジアなど多くの地域で建設機械の需要が堅調で19年3月期の連結決算(国際会計基準)は、売上収益は1兆円に、純利益は580億円と、それぞれ従来予想を上回った。
08年度に「売上高1兆円超え」を目標に掲げたが、リーマン・ショックの影響でかなわなかった。今期、悲願の売上高1兆円の大台を達成した。
日立建機が売りに出されれば、高値を呼ぶとの観測がM&A業界で流れている。買い手の候補としては、建設機械を手掛けている神戸製鋼所を挙げる向きもあるが、本線は中国勢とみられている。日立建機が中国資本の傘下に入れば、日本メーカーにとっては大きな脅威になる可能性が高い。
日立金属の売却に踏み切るか
親子上場解消の最大の目玉は、日立金属の売却に踏み込むかどうかだ。日立金属は日立化成、日立電線とともに「日立御三家」と呼ばれた。日立電線は13年に日立金属に吸収合併された。日立化成が売却されれば、「御三家」で残るのは日立金属だけとなる。
日立金属は日立製作所や日産自動車などの発祥企業である。創業者の鮎川義介氏が1910年、福岡県遠賀郡戸畑町(現・北九州市戸畑区)に戸畑鋳物を創設したことに始まる。戸畑鋳物が現在の日立金属。鮎川氏は戸畑鋳物を母体に日立製作所や日産自動車を擁する日産コンツェルンを築いた。
同じ上場子会社とはいえ、日立金属の売却は、日立化成や日立建機を売るのとは重みがまったく違う。日立グループの源流である日立金属を売却することができるのか。日立製作所の決断が注目される所以だ。
(文=編集部)
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