東京株式市場で、据置き型ゲーム機を展開するソニーと任天堂の株価が急落した。ソニー株は3月20日、一時前日比4.5%安の4895円をつけ、さらに3月25日には4507円と年初来安値を更新した。任天堂株も3月20日に4.6%安の3万50円まで売られ、3月25日に2万9930円まで下げた。
だが、任天堂株はその後、反発。4月19日に前日比17.4%(5990円)高の4万340円へと爆騰した。4万円台乗せは2018年10月以来のことだ。
米国の「物言う株主」サード・ポイントが再びソニー株を取得したとロイター通信が報じたため、4月9日の東京市場で9%(445円)高と急騰したが、昨年秋以降の株価の下降トレンドを完全に脱したとは言い切れない。4月19日の終値は5331円である。ソニーは映画などエンターテインメント事業をどうするかが問われている。
米グーグルがゲーム市場に本格参入することが明らかになり、打撃を受けそうな銘柄探しが始まった。
グーグルはサンフランシスコで開催したゲーム開発者向けイベントで、新ゲーム事業「STADIA(スタディア)」の構想を発表した。ゲームの専用機がなくてもテレビやスマートフォン(スマホ)などの「画面」を使いクラウド経由でゲームを楽しめるサービスに乗り出す。
「ボックス不要、ダウンロードも不要」。グーグルでゲーム事業を担当するフィル・ハリソン副社長は記者会見で、「No(不要)」を繰り返したと報じられた。
グーグルは既存のゲーム業界へ挑戦状を叩きつけたことになる。「高価なゲーム機やパソコンを買わなくても、インターネット経由でゲームを楽しめる」というのがセールスポイントだ。新サービスは年内に開始する計画だが、日本でいつサービスが始まるかや、利用料金は明らかになっていない。
大量のデータを高速で送れる次世代通信規格「5G」が本格化すれば、ゲームのネット配信は普及する。クラウドと通信の進化を武器に、グーグルは成功の方程式をつくろうとしている。
任天堂、中国再参入で業績を伸ばすか
ゲーム市場(ハード&ソフト)は、専用機で遊ぶ家庭用ゲーム、スマホで遊ぶスマホゲーム、パソコンで遊ぶPCゲームに大別できる。
スマホゲームの急成長で、旧来型の家庭用ゲーム機は売り上げを落としたが、「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」の世界的ヒットで息を吹き返した。家庭用ゲーム機は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントと任天堂、米マイクロソフトの3強がしのぎを削っている。
ソニーの「プレイステーション4」(PS4)は、2013年11月の発売以来、18年12月末までに全世界の累計販売台数が9160万台を突破。PS4向けソフトの累計販売本数は8億7600万本を超えた。
ニンテンドースイッチは、17年3月の発売開始から18年12月末までの累計販売台数は3227万台、ソフトの累計販売本数は1億6361万本だ。