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石徹白未亜「ネット依存社会の実態」

「このサプリで10キロ痩せる!」の“違法”広告が延々と表示され続けるカラクリ

構成=石徹白未亜/ライター
「このサプリで10キロ痩せる!」の“違法”広告が延々と表示され続けるカラクリの画像1「gettyimages」より

 自身が運営するサイトに広告を載せ、それを閲覧者がクリックし、商品購入などの成果を達成することで、サイトオーナーに収益が入る仕組みの成果報酬型広告「アフィリエイト」。「アフィリエイトで月100万円儲かる」など景気のいいことを言うサイトはいくらでも見つけられるが、怪しい。

 では、アフィリエイトの現状はどうなっているのか。前回に引き続き、広告主とアフィリエイターの間に立つASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)として2010年より事業を行う、株式会社もしものアフィリエイト事業部長・佐藤俊幸氏にうかがう。第3回は、「アフィリエイトの不正」などについて。

「このサプリで10キロ痩せる!」が蔓延の理由

――「アフィリエイトの不正」には、どういったものがあるのでしょうか。

佐藤俊幸氏(以下、佐藤) アフィリエイトは広告を出稿する「広告主」と、自分でサイトを運営しそこに広告を貼る「アフィリエイター」、さらに当社のような広告主とアフィリエイターをつなぐ「ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)」がいますが、この3者とも不正を行う可能性があります。

 不正の種類としては、旧薬事法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)と景表法(不当景品類及び不当表示防止法)違反が一番多いですね。

 たとえば、あるサプリメントの商品について、企業は広告で「このサプリメントを飲めば10キロ痩せます」とは当然言えません。直接的に効果効用をうたっており、旧薬事法違反になるからです。

 そこで、広告主がアフィリエイターに「私は、このサプリを飲んだら10キロも痩せたんです」という記事を書いてもらうように指示し、消費者を誤認誘導する。これはもう不正のレベルでなく「違法」なのですが。また、ASPと広告主がグルになっているケースもあります。

 また、広告主とASPはまともにやっているのに、アフィリエイター側が売り上げ目当てで勝手に「このサプリを飲んだら10キロ痩せちゃいました」などと書いてしまうケースもありますね。こういった不正に手を染めるケースは後を絶ちません。

 当社も加盟している日本アフィリエイト協議会はこれを問題視しており、警察や行政と協力しながら取り組みを進めています。

――御社のホームページのガイドライン【※1】を見ると、旧薬事法違反の「直接的な効果効用を謳う違反の例」の文言として「美白」「視力が回復する」「体臭の防止」「肝臓に良い」「デトックス」という言葉が挙げられています。景表法違反の例としては、「今だけXX%OFF!(過去実績がわからない)」「通常価格XX円をYY円で!(通常価格の根拠がない)」「日本一美味しい○○です(客観的根拠が示しにくい)」などが挙げられています。

 ただ、こういった文言はネット上でよく見かけますよね。はっきりした「シロ」と「クロ」との境界線が難しい問題にも思えます。

佐藤 はい。商品によって変わってくるところもあります。行政のほうも悩まれていると思いますね。行政側でも積極的に勉強会を開催しており、そこにASPとして当社が出席することもあります。ちなみに、それ以外では著作権や肖像権の侵害といった不正が多いです。

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