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ペナント2位のソフトバンク、“ゆがんだ日本一”…CS不要論が再過熱、揺らぐ公平性

文=江田和夫/スポーツジャーナリスト
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福岡ソフトバンクホークス・工藤公康監督(「Wikipedia」より)

 プロ野球のSMBC日本シリーズは、福岡ソフトバンクスホークス読売ジャイアンツ(巨人)を4連勝で退け、球団初の3連覇を達成した。

 巨人は4試合を通じてほとんど主導権を握ることなく、勝機を見いだす希望すら与えてもらえなかった。しかも、勝負所でミスを多発しており、自ら勝利を遠ざけてしまった感すらある。

 この4連勝を見たプロ野球関係者たちからは、ソフトバンクの強さを称賛する声が上がると同時に、セントラル・リーグとパシフィック・リーグの間に厳然たる実力差があるとの指摘が圧倒的に多い。

 事実、セパ交流戦の実績を見てみると、2005年の開設以降の15年間で、パリーグチームは通算1098勝で優勝は12回、セリーグチームは通算966勝で優勝は3回。セリーグ側か勝ち越したのは、わずかに09年の1回のみ。特にソフトバンクは8回優勝と、12球団のなかでも群を抜いた強さを見せている。

 だが、果たしてセリーグとパリーグの格差だけが問題なのだろうか。両リーグの格差というより、むしろ“ソフトバンク1強”となっている点のほうが、より深刻な問題を抱えているのではないか。

 かつて、巨人がV9を達成した際も当然“巨人1強”だったが、多くのスター選手を抱え、球界の盟主として君臨する巨人にほかの球団を立ち向かうという構図が、ファンを熱狂させた。しかし、今はそんなわかりやすい構図で国民が納得する時代ではない。

CS不要論が再過熱

 しかも、ソフトバンクが“真の1強”ではないことも、多くのファンの不満を呼んでいる。「3年連続日本一」の称号を手にしたソフトバンクではあるが、プロ野球ファンからは「単に短期決戦に強いだけ」との揶揄も聞かれる。確かに、18年、19年と2年連続でパリーグを制したのは埼玉西武ライオンズだ。その西武をソフトバンクはクライマックスシリーズ(CS)で破り、パリーグ代表として日本シリーズに進出した。特に今年のCSでは西武も4連敗しており、巨人同様にソフトバンクの圧倒的戦力の前にひれ伏した。

 そのため、「本来の日本一とは、半年にわたる長いペナントレースと、短期決戦の日本シリーズを両方制したチームではないのか」と、ペナントレースで敗退したチームが日本一を唱えることに疑義を呈する声が多方面から上がっている。過去にも、10年の千葉ロッテマリーンズや17年の横浜DeNAベイスターズがシーズン3位から日本シリーズに進出した際には、CSという制度に疑問を投げかける声は上がった。

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