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神奈川県データ流出のブロードリンクの闇…防衛省や最高裁判所もデータ消去委託か

文=編集部
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「ブロードリンク HP」より

 個人情報を含む神奈川県の大量の行政データが蓄積された18個のハードディスクドライブ(HDD)が、ネットオークションで転売されていた。朝日新聞によると、HDD 18個で保存できるデータの総容量は54テラバイト。画像を添付したメール1通を3メガバイトとして換算すると、1800万通分になる。世界最大規模の情報流出事件といわれている。

 HDDの破棄を委託されていたブロードリンク(東京・中央区、非上場)の榊彰一(さかき しょういち)社長(48)が12月9日、問題発覚後、初めて記者会見を開いた。この問題で、警視庁は元社員の高橋雄一容疑者=懲戒解雇=を6日、窃盗容疑で逮捕した。

 ブロードリンクによると、高橋容疑者は2016年2月に入社し、データ消去を担当。社内調査の結果、同容疑者は入社後、記憶媒体やケーブル、イヤホンなど計7844個をネットオークションのヤオフクに出品し、落札されていた。このうち記録媒体は3904個あった。同社は年間1000~1500社から約70万~100万個の処理を請け負い、約75%がHDDなど記憶領域関連だったという。

 この問題では、2重でずさんな管理体制が明らかになった。神奈川県庁では情報機器レンタルを手掛ける富士通リース(東京・千代田区)からレンタルしていたファイルサーバーのHDDを、メンテナンスのために19年春に交換。神奈川県はHDD内のデータを削除したうえで富士通リースに返還。その後、富士通リースは古いHDDの処分をブロードリンクに依頼した。

 HDDの廃棄を神奈川県は富士通リースに丸投げし、富士通リースはブロードリンクに丸投げした。県も富士通リースも、委託先から廃棄証明書を取っていなかった。完了報告書は作業が終わったことを単純に報告するもので、データの消去を証明するものでなかった。HDDには納税証明書など重要な個人情報も含まれていた。

 ブロードリンクの管理体制も、高橋容疑者が「簡単にできるから、毎日のように盗み出していた」と供述するほど杜撰だった。高橋容疑者は約3年にわたり毎日盗み出していたとされるが、榊社長は「社の管理体制に不備があった」と謝罪。再発防止策を講じた上で、「社長を辞任する」と話した。

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