香港で「吉野家」ボイコットを受け、「すき家」に客が殺到している複雑な事情の画像1
(Image:StreetVJ / Shutterstock.com)

 牛丼チェーンの「すき家」が香港に進出を果たした。12日、香港1号が旺角亞皆老街にオープンした。香港では6月から半年以上続く民主化デモが、地域経済に悪影響を及ぼしているが、同日オープンした「すき家」には開店前から多くの人が並んだという。すき家香港のファイスブック(FB)によると、同社の運営はフランチャイズではなくゼンショーホールディングス(HD)の直営という。

牛丼の空白状態を突く

 香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(23)はこの日、ツイッターに写真入りで次のように投稿した。

「今日、すき家の香港店がオープンしました。昨日の夜から長い行列ができました(笑)親中派企業が経営している香港吉野家を多くの香港人がボイコットしている今、すき家は多分大人気になると思いますw」(原文ママ)

 牛丼は香港人に人気の日本食。吉野家をボイコットしている市民も、すき家の上陸に盛り上がっているようで、FB上には現地のファンが日本語で「とろろはありますか?」「納豆をメニューに入れてお願いします」「我愛とろろ」などと書き込み、大歓迎されている。

 香港では一連の混乱で、交通機関がマヒすることが増え、住民が外食を控えるようになり飲食・小売業で閉店が続出しているという。吉野家は周庭氏が言及している通り、香港警察の行動を支持する親中派企業が吉野屋ホールディングスとフランチャイズ契約を結んでいたため、デモ隊の攻撃を受けたり、ボイコットを受けたりしている。すき家は香港に生じた「牛丼の空白状態」をうまく突くかたちで新規出店を果たした。

 一方で、ゼンショーHDは中国本土の北京や天津などに相当数の店舗を展開している。全国紙記者は次のように指摘する。

「ゼンショーHD内には逆に香港であまりに人気が出てしまうと、中国の本土のすき家がボイコットされるのではないかとの声も上がっているようです」

 ゼンショーHDの難しいかじ取りは続きそうだ。

(文=編集部)

 

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