
「できるだけたくさん貯める」という目標がよくない理由
新しい年を迎えて「今年こそ!」と何か目標を立てた方も多いだろう。特にお金の目標を立てることは、企業の予算づくりと同じで、とても大事だ。うまくやれば今年のあなたの人生は、正しい方向に向かって進んでいく。お金の目標を立てないのは、海の上を風に任せて漂う船に乗っているのと同じ。気楽だけど不安は消えない。どこにもたどりつけなかったり、行きたくないところに漂着したりする。
貯めたい人は、「できるだけたくさん貯める!」という目標を立てがちだが、これでは「やったあ、目標達成できた!」「あと3万円で達成だ!」「半分まできたぞ」というふうに、具体的に評価することができない。「1年で5000円貯めた。上出来!」と開き直ることもできる。一方で100万円貯めても200万円貯めても満足できない人や、達成感が得られない人もいる。
そこで今回は、今年のお金の目的地の決め方と、実行のプランニング方法をお教えしよう。
いくら貯めたらいい? 手取り年収の10~20%

お金の目標というと「貯金の額」と思う人は多い。しかし、貯金は多ければいい、というものじゃない。手取り年300万円の人が、食べたいものも、行きたいところも、買いたいものも我慢して年100万円貯めたとする。確かにすごい。でも、そのために友達が減り、話題がなくなり、病気になるかもしれない。もし、病気や事故で死んでしまったら、「もっと人生楽しんでおけばよかった」と思うに違いない。
お金は将来のために「貯める」も大事だけど、今の人生を充実させるために「活かして使う」も大切。このバランスをうまくとるのが、マネープランのポイントだ。
じゃあ、いったいいくら貯めたらいいか。
答えは手取り年収の10~20%だ。普通の会社員が結婚し、家を買い、子どもを2人育てて老後に備える。これを全部実現するには、収入の15%を現役の間じゅう貯め続ければいい。根拠となる計算は企業秘密だが、シンプルでリーズナブルな数字を使っているので、ご自分で試算してみてほしい。たとえば、こちらのFP協会のライフプラン表(キャッシュフロー表)をダウンロードして計算してみるといい。
人生では家族が増えたり減ったり、収入が減ったり増えたり、仕事を休んだり臨時収入が入ったりいろいろなことがある。ゆとりがあるときは多めに20%、厳しいときは10%、平均で15%をめざす。毎月の給料が25万円、ボーナスが年80万円の人なら、毎月3.75万円、ボーナスから12万円の年57万円が貯金の目安。これで年収380万円の15%になる。
では、自分の収入から今年の貯金目標額をつくってみよう。