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オタクドクター“Chem”の「医療ニュース、オタク斬り!」

医療がテーマの『ヒーリングっど♥プリキュア』…過去には死生観を問う秋元康原作アニメも

文=Dr.Chem(現役内科医)
医療がテーマの『ヒーリングっど♥プリキュア』…過去には死生観を問う秋元康原作アニメもの画像1
映画『プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』公式サイトより

 ご無沙汰しております。アニヲタ医師、Dr.Chem(ちぇむ)でございます。

 春が訪れても新型コロナウイルス感染の猛威は勢いを増し、数多くの催しが中止または延期を余儀なくされています。一刻も早く感染が終息するよう、現場に立ちながら祈るばかりです。こうした一連の流れにおいて、特に子どもたちをメインターゲットに据えた映画作品は、早くから公開の延期が発表されていました。当初は3/20の公開が予定されていたプリキュアシリーズの最新映画『プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』もそのひとつでしょう。

「プリキュア」シリーズは、2004年の『ふたりはプリキュア』(製作:東映アニメーション、放送:テレビ朝日系)以来、長年にわたって日曜朝に放映されているテレビアニメーションシリーズで、前後の時間帯で放映されている「スーパー戦隊シリーズ」や「仮面ライダー」と同様、毎年シリーズがリセットされ、異なるコンセプトの物語が繰り広げられています。毎年、クリスマスを過ぎ、お正月を迎えるとともに新しいプリキュアの情報が解禁され、2月に入るととも新シリーズの放送が始まります。今年、2020年の新シリーズは『ヒーリングっど♥プリキュア』。「ヒーリング」の語が入っている通り、今年のモチーフの中心は「癒し」ということで、地球の病気を手当てする役割を持つ妖精とペアになってプリキュアに変身するというのが基本構成になっています。

医療がテーマの『ヒーリングっど♥プリキュア』…過去には死生観を問う秋元康原作アニメもの画像2
アニメ『東京ミュウミュウ にゅ~♡』公式サイトより。主人公・桃宮いちご役の声優をオーディションにて一般公募するのだという。

「医療」「癒し」をモチーフとした最新版プリキュアシリーズ

 地球環境をテーマにした女児向けコンテンツとしては過去に、2002年放送の『東京ミュウミュウ』(テレビ東京系)という作品があり、絶滅危惧種の動物の力を借りて変身する……というモチーフでした。同作は2019年11月、登場人物がすべて男性に切り替わるという驚きの形でスピンオフ作品が登場し、さらに今年4月に新作アニメーションの製作が発表されたことでも再注目されています。

 そのため、『ヒーリングっど♥プリキュア』も、「癒し」という方面をどのように展開していくのか―環境問題を強調していくのか、それとも医療に関わるテーマを扱っていくのか、事前告知の時点では読み切れないところがありました。しかし、いざ始まってみると、予想していた以上に、「医療」モチーフを作品に取り込んでいることに驚かされました。

 本作では、地球の精霊である「ヒーリングアニマル」が敵方の「ビョーゲンズ」によって病気に侵されてしまうのを退治する過程を「地球のお手当て」と称し、地球という一個の生命体を守り、そして癒す……という大きなテーマが設定されています。

 メインビジュアルである変身後のプリキュアのコスチュームは比較的従来の「プリキュア」シリーズと近く、あまり医療と結びつくようなイメージはありませんが、変身の掛け声は「プリキュア・オペレーション!」(オペレーション=手術)で、変身シークエンスにて、白衣をまとうモチーフがメインキャラ全員に共通して盛り込まれています。。また、ビョーゲンズをやっつけたときの決め台詞も「お大事に」であり、医療の世界で用いられている言葉遣いを積極的に取り入れている様子が見て取れます。

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マンガ版『ナースエンジェル りりかSOS 1』(集英社)

長らく病気療養していた主人公・キュアグレース

 作中では、侵された病気を診断するアイテムとして聴診器が用いられ、これがそのままおもちゃにもなっています。同様の聴診器型アイテムは、2016年に放映された『仮面ライダーエグゼイド』(テレビ朝日系)にも登場していましたし、さらにさかのぼれば1996年の『ナースエンジェル りりかSOS』(テレビ東京系、原作はあの秋元康氏!)にも登場しており、医療の世界を象徴する定番アイテムです。ちなみに同作は、ビジュアルの可愛らしさやモチーフからは想像できないほどハードな死生観を問うような内容で、筆者としては当時強い衝撃を受けた記憶があります。

 また、主人公「キュアグレース」に変身する花寺のどかは、現時点では病名こそ明かされていないものの、長らく病気療養していたという設定が放送開始当初から明かされ、第6話「ママはどこラテ?おるすばん大脱走!」においては、彼女の母親が彼女の看病のために休職していたことも明かされます。「健康」「病気」というテーマに対し、本作が真っ向から向き合っていくのであろうことが、こうした点からもうかがわれます。

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