レスキューアニメ『プロメア』医師も舌を巻く正確な医療知識…京アニ事件への悲しみを胸に
しばらくぶりでございました、アニヲタ医師・Dr.Chem(ちぇむ)と申します。
医師というのは年間を通じてのピークが読めない仕事ではありますが、私に関していえば今年の夏から秋にかけては急に忙しくなり、【前回】から大きく間隔があいてしまって申し訳ありませんでした。今後はもう少し、ペースを保って執筆できればと存じます。
さて、日本は以前より災害大国と呼ばれ、さまざまな自然災害に見舞われてきた国ですが、2011年の東日本大震災以降は特に、日本全国で地震、台風、水害などの自然災害の脅威について他人事ではいられない状況が続いています。今年、2019年もまた、大規模な台風が問題になった年でありました。
病院に勤める医療者にとって、自然災害や事故に対応する際には、医師・看護師・薬剤師といった病院内で仕事を共にする仲間たちと同様に、災害や事故現場に駆け付ける消防隊・レスキュー隊はなくてはならない存在です。そして、多くの人の命を救う彼らは、それ自体がヒーローとして憧れの存在であり、また、フィクションにおけるモチーフにもなってきました。
『しょうぼうじどうしゃじぷた』(福音館書店、1966年)は今でも絵本のベストセラーですし、特撮ヒーローでもレスキューをモチーフにした作品は数多くあります。正確に歴史を辿ろうとすると、もはや古典に属する部類の名作『サンダーバード』シリーズ(イギリス、1965年〜)あたりから語るべきなのかもしれませんが、個人的に世代だったのは、現在の『スーパーヒーロータイム』に連なるテレビ朝日系・日曜朝の枠で放映されていた、
・『特警ウインスペクター』(1990年〜)
・『特救指令ソルブレイン』(1991年〜)
・『特捜エクシードラフト』(1992年〜)
のいわゆる『レスキューポリスシリーズ』あたりからでした。
また、1999年に“99(救急)の年”ということで制作されたスーパー戦隊シリーズ第23作『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(テレビ朝日系)は、ちょうどこの2019年に20周年の記念イベントも催されており、今でも根強い人気がある作品です。さらに、21世紀に入ってからも『トミカヒーロー レスキューフォース』(テレビ東京系、2008年〜)などの名作が登場しています。
マンガでは、そのものずばり消防士の仕事を真正面から扱った『め組の大吾』(小学館、1995年〜)が名高いですし、たびたびドラマ化・映画化もされた『海猿』(小学館、1998年〜)は、海上保安庁を舞台に水難事故に立ち向かう若者たちを描いていました。