
どんなクルマなのか?
日産自動車「ルークス」は全高が1700mmを超える背の高い軽自動車で、室内も広いです。後席側のドアはスライド式で、狭い場所でも乗り降りしやすいです。開発は日産と三菱自動車工業の合弁会社となるNMKVが受け持ち、基本部分を共通化した姉妹車には、三菱ブランドの「eKスペース」&「eKクロススペース」もあります。ライバル車としては、ホンダ「N-BOX」とダイハツ工業「タント」が用意され、両車とも高い人気を得ています。
人気を得ている理由
軽自動車ですが、車内が広く、大人4名で乗車しても窮屈に感じません。後席を畳むと、自転車のような大きな荷物も積めます。助手席の前側にはボックスティッシュが収まる引き出し式の収納設備が備わり、インパネ中央のトレイも引き出し式で、小さなテーブルのように使えます。電動スライドドアにより、子どもを抱えた状態でも乗り降りしやすく、子育て世代に向けた各種の機能も豊富です。
2020年3月の発売とあって設計が新しく、安全装備の衝突被害軽減ブレーキも先進的です。全車速追従型クルーズコントロールを備えたプロパイロットなど、運転支援機能も充実させました。
気になる8つのポイントチェック&星取り採点
(1)居住空間の広さとシートの座り心地
★★★★☆
前後席ともに、頭上と足元の空間が広いです。後席は座面が短く感じられ、座り心地に改善の余地があります。
(2)荷物の積みやすさとシートアレンジ
★★★★☆
荷室高は、床の低いN-BOXに比べて約100mm少ないですが、後席を畳むと自転車なども積載できます。
(3)視界や小回り性能など運転のしやすさ
★★★★☆
インパネの上端部分が低めに抑えられ、N-BOXに比べて前方は見やすいです。小回り性能も良好です。
(4)加速力やカーブを曲がるときの安定性
★★★☆☆
売れ筋グレードは車両重量が970kgと重く、加速力はいま一歩です。回転感覚はなめらかで安定性も良いです。
(5)乗り心地と内装の質感などの快適性
★★★☆☆
走行安定性が高い代わりに、乗り心地は硬めです。路面の段差を乗り越えたときなど、少し粗い印象もあります。
(6)燃費性能とエコカー減税
★★★★☆
ノーマルエンジンのJC08モード燃費は27.2km/L、WLTCモード燃費は20.8km/Lと優れています。
(7)安全装備の充実度
★★★★★
2台先を走る車両を検知できる衝突被害軽減ブレーキなど、安全装備は軽自動車の中で特に優れています。
(8)価格の割安感
★★★★☆
軽自動車なのに価格は小型車と同等ですが、安全装備を中心に、それに見合う優れた機能を備えます。
選ぶときに確かめたい3つのメリット
・ノーマルエンジンは回転感覚がなめらかでノイズも抑えられ、走りが上質です。
・内装の質感が高く、後席の快適性を高める空調機能なども採用されています。
・全車速追従型のクルーズコントロールなど運転支援機能も先進的です。
後悔しないための3つの要チェックポイント
・後席は座面が短く感じられ、柔軟性も乏しいために座り心地が不満です。
・乗り心地が硬めで、15インチタイヤ装着車は突き上げ感も生じやすいです。
・ターボはエンジンの回転感覚が少し粗いです。ターボのクセも強めです。
こんなユーザーにおすすめ
後席の座り心地が良くないので、大人が3名以上で乗車するより、チャイルドシートを装着する使い方に適します。また、クルーズコントロールは全車速追従型で、パーキングブレーキも電動式です。追従停車時間が長引いたときは、自動的にパーキングブレーキを作動させ、停車を続けられます。従って、長距離移動の機会が多く、クルーズコントロールを頻繁に使うユーザーにも適します。衝突被害軽減ブレーキが先進的なので、安全性を重視するユーザーにも向いています。