バーバリーを失った三陽商会、経営危機で“身売り”が取り沙汰…150店舗を閉鎖への画像1
三陽商会 HP」より

 三陽商会は5月26日、東京・四谷の本社で定時株主総会を開き、焦点だった米投資会社RMBキャピタルによる経営陣の刷新を求める株主提案を否決した。中山雅之社長や大江伸治副社長など9人を取締役とする会社側の提案が賛成多数で可決された。同日付で大江副社長が新社長に昇格した。

 約6%の株式を保有するRMBの株主提案は、中山雅之社長の社長および取締役退任、元クラシエホールディングス社長の小森哲郎氏の社長就任やRMBの細水政和パートナーの社外取締役選任を求めていた。会社提案は、中山氏を取締役に再任させた上で副社長に異動させ、3月に入社した大江伸治副社長を新社長に昇格させる案だった。大江氏はRMBの株主提案でも取締役候補に名を連ねていた。

 中山氏は業績悪化で昨年末に辞任に追い込まれた岩田功社長の後任として、1月1日に社長に就いたばかりだった。議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)やグラスルイスは会社提案に賛成推奨。約5%の三陽商会株式を持つ投資ファンド、ひびき・パース・アドバイザーズは株主提案に賛同を表明した。約9%出資する三井物産や約8%出資する八木通商などの取引先は会社提案に賛同したとされる。

 再生の主役は、両者の提案で唯一共通して選任を求めた大江副社長だ。三井物産出身でスポーツ衣料大手のゴールドウインの再建に手腕を発揮した実績を持つ。今年3月に副社長に招かれた。株主総会は大江氏の信任投票の色彩が強かったといえる。大江氏の賛成率は98.19%。会社提案の中山社長の賛成率は68.78%。実に3割強の株主が再任に反対した。一方、株主提案の小森氏は29.43%にとどまった。

コロナが業績悪化の追い討ち

 15年6月、屋台骨だったバーバリー事業を契約修了で失って以来、業績悪化に歯止めがかからなかった。人員削減や店舗縮小などの構造改革や新規ブランドを投入したが、軌道に乗らなかった。マッキントッシュロンドンなどはバーバリーに替わる主力ブランドとは認知されなかった。

 20年2月期(決算期変更に伴う14カ月の変則決算)の売上高は688億円。バーバリーが主力だった14年12月期の売上高1109億円から4割近く落ち込んだ。14年12月期は63億円の最終黒字だったが、20年2月期は26億円の赤字。4期連続の赤字に沈んだ。地方百貨店に出店する年商1000万円規模の赤字店舗など約150店を閉鎖し、販売管理費を2年間で40億円に減らす――というのが再建案の骨子だ。