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日本海軍の主力戦艦「金剛」の副砲か…ナウル共和国で発見、謎の大砲にネット議論白熱

文=編集部
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戦艦「金剛」(Wikipediaより)

 南太平洋に浮かぶ数百の島からなるソロモン諸島とその北東に位置するナウル共和国。それぞれ美しい海で知られ、多くの日本人が訪れる国際観光地でもある一方、太平洋戦争中、日米両軍の激戦地であったことでも知られる。ソロモン諸島政府観光局が10日、Twitter上で日本のフォロワーに投げかけた投稿に日本のフォロワーの間で、議論が白熱している。「ソロモンの隣国ナウル共和国で謎の日本軍の大砲」が見つかったというのだ。フォロワーから寄せられるさまざま意見の中には戦時中、インド洋から太平洋にかけて主だった海戦に参加し、ファンも多い日本海軍の高速戦艦「金剛」のものではないかとの指摘もある。

ナウル共和国で眠っていた“謎の大砲”

 ソロモン諸島政府観光局は10日、“謎の大砲”の写真とともに以下のように投稿した。

「第6弾はナウル共和国 グランドラー 元ナウル共和国官房長官が写真を送ってくださいました 旧日本軍が遺棄したものだそうですが、75年以上を経て、この状態で残っています 名称わかる方いましたら、是非、教えてください こちらもフリー素材です」(原文ママ、以下同)

 この投稿に対して、ユーザーはさまざまな資料と比較し、専門用語を交えて以下のように検証作業が進んだ。

「一致すると思われる部分を照らし合わせると、1908年設計の41式150mm45口径海軍砲ではないかと挙げます」

「金剛型・扶桑型の副砲、阿賀野型の主砲ですね 海軍陸戦隊の装備品だと思われるので、これを陸に上げて水際作戦を行ってたと想定されます結構珍しい資料だと思われます」

「鎖栓式閉鎖機が綺麗に脱落しているのか、隔螺式閉鎖機を採用していた砲なのか。この尾栓周りだと後者っぽい感じですがそうなると九二式カノンや九六式15榴ではなく十四年式カノン辺りが候補ですが砲身に比べ他のパーツが残ってなさすぎて本当に野戦砲なのかすら自信がない謎砲ですね」

別アングルの写真も公開=戦艦「金剛」のもの?

 その後、ソロモン諸島政府観光局は別アングルの写真をアップ。

「皆様、昨日はお知恵をお貸しいただきありがとうございました なんと、グランドラー 元ナウル共和国官房長官が先程、現地に行っていただいて、すぐに写真を送ってくださいました これで、どうにかわかりますでしょうか? こちらもフリー素材です」

 この写真をもとに議論はさらにヒートアップしている。

「ヴィッカースの文字が刻まれてるのでイギリス製ですね」

「ヴィッカース製の6インチ砲ですから、恐らく50口径四一式15cm砲ですね 戦争遺跡研究でナウルを紹介してるサイトに載ってないので、公表しても問題無いのなら戦争遺跡として観光地のひとつになりますよ。観光局さんも元官房長官さんもGjです」

「VICKERS SONS & MAXIM LTD6IN BL No.1802A 1910と記載されてるので

『五十口径十五糎砲』で間違いないのと。

コレもしかしたら戦艦『金剛』の二次改装の前に降ろされた副砲2門の内の1門の可能性が出て来た」

戦艦「金剛」とは?

 いわゆるイージス艦として知られる海上自衛隊の護衛艦「こんごう」の元乗員は、戦艦「金剛」について次のように語る。

「現在、佐世保基地に配備されているイージス艦『こんごう』は3代目です。この艦名は戦時中の高速戦艦『金剛』(2代目)から譲り受けたものです。自分の乗っている護衛艦に関して全乗務員がその由来などを勉強するので、今回見つかった写真は、とても興味があり注目しています。

 金剛は1910年代にイギリスのヴィッカース社に発注された日本最後の英国製主力戦艦(それ以降は国産)です。45口径35.6cm連装砲4門、50口径15.2cm単装砲16門を装備し、最大30ノット超の速力を生かして、マレー沖海戦、ソロモン諸島の戦い、レイテ沖海戦など数々の日米両軍による死闘を戦い抜きました。

 今回、Twitter上で大砲の写真が公開されたソロモン諸島は、そうした日米両軍の海戦の中でも最も激しい戦いが行われたところです。金剛はレイテ沖海戦の敗北後、1944年11月、台湾の基隆沖で米潜水艦の雷撃で撃沈されるまで、太平洋各地で2回以上の改装を行って副砲を降ろしています。軍事機密でもあり、完全記録が残っているわけではなく、詳細はよくわかっていませんが、沈没した際に副砲は8門だったと言われているので、もしナウルで見つかったものが金剛のものだとすれば、とても大きな発見だと思います」

 ネット上のフォロワーから数々の助言を受けたソロモン諸島政府観光局の担当者は12日夕、当サイトの取材に次のように答えた。

「隣国のナウル共和国とソロモン諸島政府は友好関係にあります。個人的に親しくしている同共和国の元官房長官の方から、今回の写真をいただきました。Twitterには戦史に詳しい方もたくさんいらっしゃることもあって、フォロワーの方々にアドバイスをいただくことになりました。たくさんの助言をいただき、防衛省防衛研究所戦史研究センターに問い合わせています。詳しいことがわかり次第、また投稿したいと思います」

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、まだまだ気軽に海外旅行に行ける情勢ではないが、はるかな南の島で見つかった歴史ミステリーに思いをはせてみるのも良いかもしれない。

(文=編集部)

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