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アサイーバブル崩壊で経営危機のフルッタフルッタ、債務超過解消も資金調達先に重大な不安

文=兜森衛
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アサイーのフルッタフルッタ オフィシャルサイト」より

 高い栄養価と抗酸化作用で2013年に大ブームを巻き起こした「アサイー」を覚えているだろうか。

 アサイーはブラジル・アマゾン原産のヤシ科の果実。見た目はブルーベリーと似ているが、含まれるポリフェノールはブルーベリーの約18倍。さらに、レバーの3倍の鉄分、牛乳の3倍のカルシウム、食物繊維、ビタミンB、ミネラルも豊富で、栄養価の高い「スーパーフード」として脚光を浴び、スーパーやコンビニの店頭には、ジュースやスムージー、冷凍ピューレなど多種多様なアサイー関連商品が並んだ。

 そのアサイーを含むブラジル・アマゾン原産のフルーツ原料に目をつけ、02年に独占輸入総代理店契約を結んだのが「クプアス・インターナショナル・ジャパン」である。同社は02年に神戸・三宮にジュースバーをオープンすると、翌年には早くも関東へと進出。千葉県津田沼市にジュースバーの2号店をオープンしたほか、05年にはタリーズコーヒーを始め、外食チェーンや食品メーカー、スポーツ施設などに原材料の販売を開始した。

 市場規模は4年で10倍以上にまで膨張。社名もポルトガル語で「フルーツ」を意味する「フルッタフルッタ」に改名した。13年の大ブームで、同社は14年12月に東証マザーズへの上場を果たすまでに急成長した。ところが、このブームのピークは、残酷なことに、上場を果たした14年までだったのである。14年に約57億円だった市場規模は、翌15年には早くも36億円まで減少した。

 同社の売上高も15年3月期の33億4400万円をピークに下がり続け、16年3月期から4期連続で営業利益、純利益ともに赤字となった。19年3月期には7億9500万円の純損失を計上し、7億7100万円の債務超過に陥った。同社は19年6月27日、上場廃止の猶予期間入りを宣告され、20年3月期に債務超過を解消しないと上場廃止になる危機に直面していた。

「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)7月25日号の「最新版 倒産危険度ランキング ワースト10」では、フルッタフルッタは第3位にランクインしている。そこで、毎年「危ない会社300社リスト」を発表している東京経済東京支社情報部の森田幸典氏に話を聞いた。

「フルッタは昨年の『ダイヤモンド』のランキングでは4位で、今年はどうにか債務超過を解消したにもかかわらず、3位ですからね。単純に業績が赤字続きで、株の資金調達でなんとかやっている状況です。うちの『300社リスト』にも、ここ5年くらいは情報として出していて、昨年8月のリストには掲載しています。

 会社が上場した直後くらいに、アサイーブームが終わってしまいましたからね。それからは、第三者割当で新株予約権を発行するパターンの繰り返しでどうにかしのいできましたが、それももう限界でしょう。新株を発行しすぎたので、株が希薄化しているからです。東証のルールでは300%以上希薄化すると新たな上場廃止基準に抵触するのですが、現状で296%まで希薄化しています。しかも、今回7回目の新株予約権を引き受けたのは、悪名高いアメリカのエボファンドですからね」(森田氏)

 エボファンドとは、どのようなファンドなのだろうか。

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