
現在、新型コロナウイルス流行の影響で、日本の多くの産業が打撃を受けているのは、皆さんもご存じの通り。なかでも観光業や飲食業へのダメージはことさら深刻であり、各メディアはそのことを大きく報じている。政府もGo Toトラベル、Go To Eatキャンペーンなどの対策も打ち出しつつあるが、現状では、焼け石に水、という意見も多い。そして、観光産業と同等かそれ以上のダメージを受けていると思われるのが、鉄道をはじめとした公共交通機関だ。
JR東日本が発表した2020年3月期の連結経営業績では、2019年度の売上高が3兆20億円から2兆9466億円まで500億円の減少。純利益では2952億円から1984億円と、32.8%の減収となっており、コロナ禍における影響がすでに如実に現れている。
今年度に入ってからは、4月7日に緊急事態宣言と外出自粛要請が出されたこともあり、さらなる減収の可能性もあり得る鉄道業界だが、そんななか、JR東海が破格ともいえるキャンペーンを行うことが発表され、話題を集めている。
EX予約を上回る衝撃の安さ
JR東海ツアーズは10日、期間限定の新サービスである「ぷらっとのぞみ」を、9月17日から発売することを発表した。このサービスは、従来から展開していた各駅停車の新幹線“こだま”の事前予約による割安サービス「ぷらっとこだま」を、停車駅が少なく、より短時間で到達できる“のぞみ”に適用したバージョンともいえるもの。
「ぷらっとこだま」と同じく片道プランであり、事前予約が必要となっているが、「ぷらっとこだま」が前日17時までの予約をウェブサイト、店舗、コールセンターで行えばOKなのに対して、「ぷらっとのぞみ」はウェブサイト限定で、出発3日前の23時半までに予約を取る必要がある。また、販売されるのは10月1日から来年の3月12日出発分のみとなっている点にも注意が必要だ。なお、ワンドリンク引換券がついてくるのも、「ぷらっとこだま」と同様となっている。
価格は東京―名古屋間が1万円、東京―新大阪間が1万2700円。いずれも繁忙期ではない通常期の指定席の片道おとな料金だが、正規料金では前者は1万1300円、後者が1万4720円であり、それぞれ約11.5%、約13.7%の値引き率。従来からあるICカードを利用したEX予約サービスでは、東京―名古屋間が1万310円、東京―新大阪が1万3620円であることから、こちらと比較しても割安となっている。また、2000円プラスすることでグリーン車に変更することも可能だ。
