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無印、トヨタ、富士フイルムに学ぶコロナ補助金の正しい使い方…失敗する企業の特徴とは?

松下一功/ブランディング専門家、構成=安倍川モチ子/フリーライター
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無印良品のグランフロント大阪店(「Wikipedia」より)

 みなさん、こんにちは。元グラフィックデザイナーのブランディング専門家・松下一功です。

 新型コロナウイルス拡大感染によって資金繰りが難しくなり、助成金や給付金に頼らざるを得ない企業が後を絶たない状況です。そして、夏頃から支給がスタートすると、各地で「助成金フィーバー」ともいえるような現象が起こりました。

 ある制作会社では、「自粛中の1カ月間は仕事がまったくない状態だったけど、助成金が下りてからは次から次へと依頼が重なって、仕事がなかった頃が嘘のような激務になった」という話も聞きました。

 それまでストップしていた事業を動かすために助成金を充てるのは、当たり前のことと思われるでしょう。しかし、ブランディング専門家としては、もらうことが目的になり、うまく事業発展に活かせていない企業が多い印象を受けました。そこで今回は、ブランディングの観点から見た「助成金の上手な使い方」をお教えしましょう。

各種補助金は「何に使うか」が重要に

 コロナに関連する助成金や給付金は、実に種類が豊富です。自己申告が原則である上に対象となるラインも微妙なので、自分は当てはまるかどうか、必死で計算した人も多いことでしょう。

 対象者である以上は助成金や給付金を受ける権利があるので、何も問題はありません。ただ、ひとつ気になるのが、受け取った「助成金や給付金を何に使っているのか」という点です。

 個人であれば月々の出費の補填に使う人も多く、特に問題はないと思いますが、企業がそうした使い方をしている場合は少し危険です。コロナが終わるまでの辛抱だと思って支出の補填に回したい気持ちもわかりますが、いったいコロナの終わりはいつ来るのでしょうか? 果たして、コロナの終わりまで助成金や給付金でカバーし続けることはできるのでしょうか?

 これらの問いに対しては、おそらくほとんどの人が「いいえ」もしくは「わからない」と答えるしかないでしょう。

 事業を長く続けていくためには、助成金や給付金を受けることも大切ですが、それを何に使うのかの方が大切なのです。

無印、トヨタ、富士フイルムに学ぶ使い道

 では、助成金や給付金をどんなことに使えばいいのでしょうか? その答えとして妥当なのは、「経営資源集中」と「経営革新」のどちらかでしょう。

 経営資源集中とは、展開している事業の中から最も価値のあるものを選び、そこに資源を充てて育てる方法です。経営資源集中に成功した例としては、「無印良品」が挙げられます。

 今は日本を代表するブランドに成長して、海外進出にも乗り出した無印良品ですが、実は2000年代初頭に経営不振に陥ったことがあります。実は、この頃は、100円均一のブーム到来、ファストファッションのユニクロの台頭などが続けざまにあった時期なのです。そこで、無印良品は「わけあって、安い」というブランドコンセプトの見直しに取りかかりました。