押しボタン式信号の横断歩道、車は信号が青でも一時停止すべき?警視庁の見解を聞いたの画像1
「Getty Images」より

 Twitter上に、あるユーザーがこんな投稿をしたところ、大きな話題になった。

「押しボタン式の信号機のある歩道におばあちゃんがボタンを押して待ってた所に私が信号は青でも殴打歩道の前で一時停止しておばあちゃんを譲らなかったせいで、おばあちゃんは歩行者信号が青に変わった後に横断歩道を渡ることになり、私はおばあちゃんに道を譲る事を怠ってしまいました。9000円と2点。」

 一読しただけではわかりにくいが、「押しボタン式信号のある横断歩道脇に歩行者がいる状況で、車道側の信号が青であったために一時停止せずに進行した自動車の運転手が違反切符を切られた」ということのようだ。

 このユーザーが、警察官から渡された違反切符の写真を添付して上記コメントを投稿したところ、「押しボタン式信号の場合、車道の信号が青でも一時停止しなければならないのか」「これは警察の判断がおかしい。不服申立てをするべき」など、さまざまなコメントが飛び交い、ネット上に波紋を広げた。あまりの反響の大きさに、当該ユーザーはコメントを削除した。

 また、これに関連して、西日本新聞の記事を引用し、福岡でも同様の事例があったとの報告も上がった(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/637107/)。これらを受けて、「車道側の信号が青でも、押しボタン式信号の横断歩道では、歩行者がいる時には一時停止しなければならないのか」という点で、意見が紛糾している。だが、自動車の運転者が、細かく信号機が押しボタン式か否かを判断するのは現実的には難しいのではないか。円滑な道路運営という面でも、明確な基準が求められるところだ。

 そこで警察庁に、上記のような場合において、自動車は一時停止をしなければならないのかについて見解を聞いたところ、「法律の運用・解釈について警察庁は判断しない。個別の事案への適用については、各警察署に問い合わせてほしい」との回答だった。

 そのため、全国の警察の“本店”といわれる警視庁に、見解を聞いた。

「一般的には、信号機の設置されている横断歩道において、歩行者信号が赤色のため信号待ちしている歩行者については、道路交通法第38条にいう『横断し、又は横断しようとしている歩行者等』には該当しないことから、車両に対する一時停止の義務は課せられないと解することができます」(警視庁広報課)

【道路交通法第38条】

<車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。>

 あくまでも一般論であるとの前置きだが、押しボタン式であるか否かを問わず、歩行者用信号が赤で、車両用信号が青であれば、車両が一時停止の必要はないということだ。ほかに、道路の形状や混雑状況など、その時々において判断しなければならない事情はあるが、特別な事情がない限り、一時停止を課せられることはないようだ。

(文=編集部)

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