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成功はこうやって手に入れろ!「令和のヒットメーカー」の半生記(3)

アパレルの常識を変える「スーツのような作業着」なぜ誕生?大炎上から大ヒット商品に

文=編集部
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『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』(フォレスト出版/関谷有三)

 飲食業界における一大ブームとなった「タピオカミルクティー」。アパレル業界において異例の大ヒットとなった「スーツに見える作業着」。このまったく異なる2つの分野の事業で大成功を収め、「令和のヒットメーカー」という異名を持つオアシスライフスタイルグループ代表取締役CEOの関谷有三氏の原点にあるのは、「水道屋」である。

 では、なぜ関谷氏は水道、飲食、アパレルという3つの異なる分野で、次々に事業を成功させることができたのだろうか。その成功の原理と法則がつづられた『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』(フォレスト出版刊)をのぞくと、関谷氏の半生は挑戦に次ぐ挑戦であり、人の心を揺さぶる強い信念を持っていることが感じられる。

 4回にわたるこの連載を通して、関谷氏の軌跡をたどる。第3回は、関谷氏が率いるオアシスライフスタイルグループの3本柱の最後の1本である「アパレル」での大ヒットを追いかける。業界に衝撃を与えた「スーツのような作業着」はどのようにして生まれたのか?

「スーツのような作業着」で業界に一石を投じよう!

 2020年12月時点で導入企業は800社。コロナ禍で服が売れないといわれるご時世において、異例の売り上げを見せている「ワークウェアスーツ(WWS)」。「スーツに見える作業着」というキャッチコピーの通り、見た目は作業着ではなくスーツのようだ。しかし、作業着らしく丈夫で機能的、そして動きやすい。

 ビジネスウェアに革命を起こしているWWSは、このニューノーマルの時代に「ボーダレスウェア」という市場を創出した。そんなWWSが生まれたきっかけは、関谷氏と数人の社員の雑談だったという。

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『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』(フォレスト出版/関谷有三)

「若い人を採用するために、水道事業の作業着をカッコよくしませんか」

「作業着は確かに代わり映えしない。おもしろいね! よしやってみよう」

 こうして立ち上がったプロジェクトだが、そううまく事は運ばない。作業着を格好よくしようとしても、なぜだかしっくりこない。それから1年近く経ち、行き詰まってしまった関谷氏に人事部の女性が打開する一言をもたらす。

「スーツみたいなスタイルで作業できませんかね? ホテルのコンシェルジュのような感じでパリッと決まったスーツのような作業着」

 最初は、それは無理だと一蹴した。スーツと作業着はイメージも機能もまったくの逆だ。しかし、よく考えていくうちに、その相対するイメージの間に横たわる大きな壁を乗り越えられるのではないかと思うようになった。

 合同説明会では学生から「地味でダサい。作業着とか着るのは無理です」と言われた水道事業。全国展開も達成し、ビジネス的には成功を収めていたが、イメージは地味などあまり芳しいものではなかった。

 そうしたイメージを服でひっくり返すことができれば、職業観も変わるかもしれない。業界に一石を投じることができるかもしれない。春水堂のときと同じように、熱い想いが込み上げてくる。

「よし、やろう」

試行錯誤に次ぐ試行錯誤の末の完成とまさかの炎上?

 さっそくアイデアを出した女性社員を呼び、発案者としてチームに引きずり込んだ。関谷氏も女性社員もアパレルについての知識はない。まさにゼロからのスタートだ。

 もちろん、そう簡単にはいかない。だからこそ、とにかく試した。耐久性のよい生地を使えば、着心地は悪くなる。着心地を良くすれば、耐久性に不安が出る。見た目を重視すると機能性が悪くなり、機能性を重視すればスマートさが消える。また、あくまでも作業着のため、毎日洗濯機で洗えなくてはいけない。

 しかし、こうした失敗にもめげずに関谷氏は立ち向かう。それは、この服は職業観の垣根を壊すためにつくっているという使命感があったからだ。

 理想的な生地がないならつくるしかないと、自ら生地の開発に手を出した。相談を持ちかけた大手生地メーカーにはあきれられ、散々断られたという。そんな中で、東海地方の小さな生地メーカーの協力を得られることになり、1年以上の試行錯誤を経てオリジナルの生地の開発に成功した。

 ここまでに費やした時間は2年近く。コストは数千万円にものぼっていた。社内から大反対にも遭った。

 そうして完成した「スーツに見える作業着」は思わぬ効果をもたらした。社員が着て現場に出ると、身だしなみや言葉づかいに改善が見られた。当初は顧客から驚かれたが、次第に「いいじゃん!」「スマートでいいね!」と評判になっていった。

 こうなると早い。取引先の日本有数の大手不動産会社からは「うちのマンションの管理人たちのユニフォームに導入したい」という話が舞い込む。

 斬新な作業着で社会を変える――そんな未来が見える。2017年12月、世界初ともいえる「スーツに見える作業着」を手がけるアパレル会社「オアシススタイルウェア」を設立し、その服を「ワークウェアスーツ」、略して「WWS」と名付けた。

 そして、宣伝のためにYouTubeにコンセプトムービーを流すのだが、たちまちネット上で騒ぎになる。炎上したのだ。

大炎上と大ヒットの間を抜けて「アパレルのアップル」を目指す

 WWSは辛辣な批判に晒された。普段、作業着を着ている人たちから「作業着をなめるな」と言われ、スーツを着ている人からは「スーツを侮辱している」とコメントが寄せられた。さらに、アパレル関係者からは「これは服ではない、おもちゃだ」とまで言われることもあった。

 ところが、炎上すればするほど問い合わせも増えていく。導入企業からは、新卒の応募が3倍に増えた、社員の意識が変わった、という声も寄せられた。WWSは確実に企業のイメージを変えていった。そうした評判が評判を呼び、売り上げも伸びていく。マスコミからも大きな注目を集めた。

 さらに、このコロナ禍もWWSの勢いを後押しした。毎日洗える感染対策ウェアとして、そして楽に着られて身だしなみもよいテレワークウェアとして、人気に拍車がかかったのだ。

 まさに、アパレル業界における異例のヒットだった。そのヒットを生んだのは、こだわりぬいた生地の作成、業界のイメージをひっくり返そうと最後まであきらめなかった関谷氏たちの執念に他ならない。

 今、関谷氏は「アパレル界のアップルになる」という壮大なビジョンを掲げ、世界を目指して挑戦をしていこうとしている。こうした行動力、突破力の裏には、どんな経営哲学を持っているのか。次回、最終回では逆境に挑み続ける関谷氏のマインドを探っていく。

(文=編集部)

※本記事はPR記事です。

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