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国民民主党・玉木代表の変節に翻弄される自民党執行部の体たらく

文=Business Journal編集部
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自民党のサイトより

 自民党はスッタモンダの末、今年7月に投開票が見込まれる参院選の山形選挙区(改選議席1)で独自候補を擁立することになった。政府の今年度予算案に賛成するなど与党色を強める国民民主党との連携を重視して、当初は擁立見送りに動き、国民民主党の現職を推薦する話まで浮上したが、地元県連が反発したうえ、政権政党なのに32ある1人区で山形だけ候補者を立てないことに党内からも異論が噴出。一転、擁立へと変更せざるを得なくなったのだ。

 自民党は元山形県議の大内理加氏に出馬を要請。国民民主党は現職の舟山康江氏が3期目を狙う。他に共産党とNHK党が候補者を決めている。自民党関係者は呆れ顔だ。

「まったくお粗末な話。独自候補を擁立せず国民民主党候補を支援する方針は、参院選後の連立政権も視野に描いたもの。岸田文雄総裁も了解の下、茂木敏充幹事長、麻生太郎副総裁、遠藤利明選対委員長の3人で進めた。しかし、地元や党内の根回しが足りなかった。山形県連会長でもある遠藤氏は何をやっていたのか。一番の問題は国民民主党側ときちんと話が詰めてあったのかどうかということだ。玉木雄一郎代表とは話ができていると聞いていたのだが…」

 自民党が独自候補を擁立せず、国民民主党の候補を支援するなら、本来は国民民主党側が支援要請をし、それを受ける形で、自民党が党として決定をするのが筋ではある。ところが、国民民主党の候補者の舟山氏は地元ではむしろ立憲民主党系も含めた野党の候補として運動している。その上、国民民主党の榛葉賀津也幹事長も「(舟山氏は)野党の代表として頑張っている」「自民が推薦するのはあり得ない」と記者会見で発言した。

 これを聞いた自民党の山形県連が激怒するのは当然で、世耕弘成参院幹事長も「野党であると明言している人に推薦を付けることができるのか」と批判するなど自民党内は大混乱。岸田氏ら自民党執行部の国民民主党取り込みという〝高等戦術〟は万事休すとなった。

「玉木代表は榛葉幹事長に話を通してなかったのか? 玉木代表自身も、当初予算だけでなく補正予算案にも賛成しておきながら、『我々は野党』と訳の分からないことを言っている。執行部は玉木代表に振り回された」(前出の自民党関係者)

 これは、玉木氏の「癖」なのかもしれない。政党間の水面下の協議で合意した事項を、一夜にして覆したことが過去にもあるのだ。立憲民主党と国民民主党の合流協議でのことだ。当時の枝野幸男・立憲民主党代表と玉木氏との水面下のトップ同士の協議は、2020年の年明けと同年夏の少なくとも2度行われた。

「いずれも一旦は両党が全体で合流することで合意したのに、翌日になると玉木さんが『やっぱり』と言い出し白紙になったそうです。2度目はさすがに枝野さんも怒って、協議は決裂した。しかし、国民民主党内は衆議院を中心に合流で動いていたので、幹事長同士の会談で2020年8月に両党が合流することで合意した。玉木氏は国民民主党分党後に、同名の党を再結成する形をとり、立憲民主党には合流しなかった」(立憲民主党関係者)

 玉木氏の変節に与野党ともが翻弄される――。玉木氏の抱える近親憎悪が透けて見える立憲民主党はまだしも、百戦錬磨のはずの自民党執行部は情けない。

(文=Business Journal編集部)

 

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