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自民党・事実上の最強派閥、菅前首相「菅派」結成はあるのか?麻生派、退会者続出

文=Business Journal編集部
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菅義偉前首相のInstagramより

 自民党の菅義偉前首相と当選同期で、菅側近の1人とされる佐藤勉前総務会長が、所属する麻生派を退会する。2月25日に麻生太郎副総裁に会い、退会届を提出した。退会者は佐藤前総務会長など4人にのぼり、麻生派は党内第3派閥に転落する。これを受け永田町では、「いよいよ菅派結成か」との憶測が広がっている。

 佐藤氏は麻生派で会長代理を務める幹部。それにもかかわらず、派閥退会の意思を、会長の麻生氏に伝えるよりも先に、菅氏に伝えたという。そうした経緯が、「いよいよ菅派か」となっているのだが、麻生派の関係者は退会には別の事情があると話す。

「麻生派内部の権力争いが背景にある。麻生氏が自らの最側近である松本純氏(元国家公安委員長)を派閥に復帰させたことへの不満が最大の理由でしょう」

 松本氏は、昨年の緊急事態宣言中に銀座のクラブに出入りしていたことが問題となり、自民党を離党した。昨秋の衆院選は無所属で戦い落選(神奈川1区)。しかし、その後すぐに復党し、最近、麻生派にも復帰。「副総裁特別補佐」にも就いた。

「麻生氏と松本氏は昔からの間柄。一方、佐藤氏は同じ宏池会系でも、もともとは谷垣グループに属していた。それが2017年に谷垣グループを抜けて独自のグループをつくり、その仲間6人を連れて麻生派へ入会した“新参者”。派内には、麻生氏が松本氏を重用するのは仕方ないという見方があるものの、あれだけの騒ぎを起こし落選した松本氏に対し情実が過ぎるとの冷ややかな視線もあります」(麻生派関係者)

 つまり、佐藤氏の麻生派退会は、菅派結成というより自身の麻生派での居場所の問題が大きいということだ。佐藤氏は再び仲間を引き連れ、自らのグループをつくると見られている。そして今度は菅氏と連携するのではないか、というわけだが、菅氏に近い関係者は「すぐには菅派はできないだろう」と話す。いま菅氏に近い面々を見ると、「1つの派閥になるより、緩やかな連携のほうがむしろ力を発揮できる」というのだ。

「菅氏を支える『ガネーシャの会』や『参院有志の会』には無派閥議員約30人が参加している。彼らは、すでに事実上の菅派のようなものです。菅氏が号令を掛ければ、いつでも付いてくる。さらに、菅氏に近いのは二階派と森山派。両派で50人の規模にはなるが、全員が菅派に入るかどうか。特に二階派は武田良太前総務相が後継会長に最有力と見られ、武田氏は派閥を存続させたいだろう。下手にいま一緒になって人数を固めるより、参院選までは石破グループも含めた緩やかな連携で、支持率が下落傾向の岸田政権に揺さぶりをかけたほうが効果的ではないか」

 そもそも菅氏は「カネで面倒を見るタイプじゃない」(無派閥議員)というから、いわゆる派閥会長ができるのかどうか、という疑問もある。当面、菅派は「いまにもありそう」な状態で“瀬戸際政局”を展開することこそが「最強」ということのようだ。

(文=Business Journal編集部)

 

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