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トヨタの介入も取り沙汰…マツダ、次期社長候補が退任で社内に激震

文=桜井遼/ジャーナリスト
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マツダ「Mazda3」(「Wikipedia」より)

 マツダが5月25日に発表した役員人事が波紋を広げている。代表権を持つ副社長兼COO(最高執行責任者)の藤原清志氏が6月24日開催の定時株主総会での退任を発表したからだ。藤原副社長はマツダのナンバー2で、技術主導でマツダの業績を回復させた立役者のひとり。アライアンスを組むトヨタ自動車の介入を含め、さまざまな憶測が飛び交っている。

 藤原氏は開発畑出身で「三流の自動車メーカー」と揶揄されてきたマツダブランドの向上を技術面で主導し、イメージアップを図ってきた。自動車業界でマツダが存在感を打ち出すきっかけとなった低燃費や、高い走行性能を実現する「スカイアクティブ」技術の基礎開発を統括してきた。現在はイノベーション・カーボンニュートラル・協業・新事業を担当、開発部門から離れているものの、社内外からいまだに藤原氏がマツダの開発部門のトップと見られている。

 その藤原氏の退任が公表されると、マツダの開発部門には激震が走ったという。というのも藤原氏がCOOに就いたのは2021年で、トップが交代するわけでもないのに、わずか1年で退任するからだ。しかもマツダの公式コメントが「一身上の理由」としていることから「何かのトラブルがあったのでは」との見方が強まっている。

トヨタとのアライアンス

 マツダは現在のトップである丸本明社長兼CEO(最高経営責任者)が来年6月に交代することが予想されている。丸本氏と藤原氏は3歳差と、それほど離れていないものの、丸本氏が社長を続投するため、次期社長との声のある藤原氏を早めに排除したとの見方がある。丸本氏は、次期社長として有力視されていた菖蒲田清孝氏を21年に会長ポストに追いやった経緯があるからだ。

 また、藤原氏の退任は、資本提携しているトヨタの意向が働いたとの説も有力だ。藤原氏はトヨタと提携する前まで「トヨタ嫌いで有名だった」(サプライヤー)という。提携後は態度を一変させたものの「面従腹背」と見る向きは多い。

 技術的なアライアンスを中心に、要望通り動かないマツダに対してトヨタ側が納得がいかない感情を持っているとの指摘がある。それは、トヨタグループのアライアンスの活動でも明白だ。

 トヨタは米国での合弁工場新設や車両の供給など、マツダとの提携関係を深めてきた。しかし、ここ最近、トヨタのアライアンス事業の関心はスバルに集中しており、マツダとの新たな協業は目にしなくなっている。トヨタ、マツダの間で溝が生じたのは電気自動車(EV)に関する協業のためと指摘する声がある。

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