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AV女優座談会「AV新法で収入減少」…悪化する労働環境、混乱する撮影現場の実態

文=Business Journal編集部
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左から花宮さん、緒川さん、栗下さん、天使さん、月島さん、稲森さん(撮影=編集部)
左から花宮さん、緒川さん、栗下さん、天使さん、月島さん、稲森さん(撮影=編集部)

 出演者が無条件で出演契約を解除できることを定めた「AV出演被害防止・救済法」(AV新法)の修正を求めるセクシー女優5人が8月4日、成人向け映像コンテンツ業界のプロダクションでつくる「日本プロダクション協会」に集まり、7月の参院選(比例代表)に立憲民主党公認で立候補(落選)した元都議の栗下善行氏と、同法の問題点や修正の方向性について意見を交わした。

 5人は天使もえさん、稲森美優さん、月島さくらさん、緒川はるさん、花宮レイさん。

 同法の「契約の無条件解除」のほか、「契約は作品ごとに結ぶ」「契約は撮影日の1カ月前に締結する(1カ月ルール)」「撮影から作品の発表まで4カ月間空ける(4カ月ルール)」ことを義務付ける各項目によって、撮影中止や契約の棚上げが相次ぐなど現場が混乱し、仕事が奪われた状態に陥っているとして、修正を求めている。

 法制化の過程で「国会の意見聴取は業界の第三者団体のAV人権倫理機構からの聞き取りにとどまり、当事者の協会や女優らかはヒアリングしていない」と手続き的にも問題があるとしている。

 意見交換の主なやり取りは次の通り。(敬称略)

新法制定以降、撮影現場のバラシ(キャンセル)頻発

緒川はる(以下、緒川) AV新法の問題は現場がバラシ(キャンセル)になったりとか、いろいろあります。女優だけでなく、男優さんにもメークさんにも影響が出て、収入が減っています。

稲森美優(以下、稲森) ツイッターとか見ててもバラシはめちゃめちゃありますよね。

月島さくら(以下、月島) しかも急きょのバラシになっても代役が呼べない。女優さんや男優さんに問題が起きても代役が呼べない事態になっています。

稲森 新型コロナウイルスの濃厚接触者になっちゃっても差し替えができません。

緒川 撮影の日付が変わっても撮り直しできない法律なので、改めてスタッフさんを含めて全員、一から契約を結ばなくてはなりません。お葬式があっても駄目ですからね。大変な法律で融通が効かない。

稲森 1人が駄目になると全員が崩れてしまう。

緒川 1人が駄目なら全員のその日のお給料が発生しなくなります。補償してくれる所もない。その点で不満が一番多いのかな。

栗下善行(以下、栗下) コロナで1日2万人、3万人と感染する中で、スタッフさんの中に1人でも感染者がいらっしゃったらストップする訳ですよね。コロナ禍じゃなかったら良いという訳ではないですけど、特に大変ですよね。

作品PRでのSNS発信制限の法解釈にズレ?

天使もえ(以下、天使) (新法を推進した)国会議員がSNSで「(1カ月ルールは)猶予を持たせても大丈夫ですよ」ということを発信しているんですけど、法律はそうなっていない。議員さん1人から「大丈夫ですよ」と言われても、法律ではそう決まっている訳だから、私たちが議員の発言を信じても捕まっちゃうことになるんですよね。

月島 議員に会って直接聞いたんですけど、「1カ月後から2カ月後に猶予を持たせる契約をしてもいい」と。

稲森 それは議員さんがおっしゃっているだけでなく、法律の解釈もそうなんですか?

月島 議員さんが内閣府に確認してくれたみたいで。

緒川 そういうズレを公式に発表してほしいですね。じゃないと「言った、言わない」の水掛け論になりますから。

栗下 新しい法律ですから、まだはっきりと決まっていない部分もありますし、共有されていない部分もありますので、結構問題だと思うんですよね。猶予を持たせると言っても同じ人、同じスタッフさんで撮らないといけないんですよね。だからどうなのかなという気もしますね。

緒川 スタジオ押さえることも決まっているんですよね。そうするとできない。

栗下 その日いろんなものを押さえていたとして、その日がなくなっちゃうことは防げないですよね。他にも解決策が必要なのかなと思います。

日付ごとに契約書……「70枚契約書を書かされた」

天使 プロダクション協会などが「1カ月間、その人は自由に撮影に参加できます」という申請を出し、それが通れば解決すると思うんですよね。作品ごとの契約についても、「どの作品にも出られる」と融通の幅を広げてもらいたいのが今回改正してほしい内容です。

緒川 コンテンツも別契約、1作品15分のものでも契約になっちゃっているので幅が狭い。日付ごと、企画ごとに契約書を書かなければならず、めちゃめちゃ時間と手間が掛かります。

月島 噂で「70枚ぐらい契約書を書かされた」と聞いたことがあります。

緒川 「三十何枚書かされた」とも聞いたので。私たちの業界は一般の方から見たら自由にやっているように思われがちですけど、法律に触れないようにきちんと正しくやりたいから、厳しめでプラスアルファでやっているんですよ。AV新法ができたことで、よりみんな捕まりたくないし、ちゃんと働きたい、よりプラスにこっちも規制を掛けることになり、難しさを感じます。/p>

オムニバスでの2次使用料も払われなくなった

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天使もえさん(撮影=編集部)

天使 新法で2次使用料も払われなくなります。これまではオムニバスが発売されると女優さんに使用料が払われていたんですけど、1本ずつの契約じゃなくなったから、もう払われなくなると聞いて。

緒川 登録してあれば年に2回支払われる仕組みがあり、結構本数出ていればそれなりに支払われるんですよね。それがなくなると。私たちも税金払っているのに。

天使 業界がどういうふうに成り立っているのを全く分からない人たちが組み上げてしまったから、どんどん弊害が出てきて。実情として、この法律をつくったからといって、どこまでこれが広がって救われる人が出てきたというのもあいまいなラインをたどっているじゃないですか。

新法成立後も女の子が被害届を出しても動かない警察

緒川 新法は被害者が出て救済するには使われるけど、被害者をつくらない救済はできるのかという疑問があります。

天使 法律があったとしても、実際に女の子が被害届を出さないと逮捕に踏み切れないのが当たり前だそうで、今まで通り女の子が自分から被害届を出すことはまずないし、出したとて警察が(違法業者の摘発に)動いてくれない実情があります。

栗下 女の子が被害届を出しづらいというところに問題があるんだけれども、そこは手つかずの状態になっているんですよね。

個人撮影、海外の違法業者が跋扈する懸念

緒川 私たちが出ているAV業界には目につきやすい法律だけれども、裏のAVと言われている個人撮影などには適用は難しいですよね。

栗下 新法で適正なAVが撮りづらくなっちゃうから、あまり法律を守らない撮影の方に人が流れちゃうんじゃないかという話もありますよね。法律をつくった目的と逆の方向にいっちゃっているということなんですよね。国会としては絶対に許しちゃいけないことなんです。

稲森 かえって違法な作品が増えているということですよね。

月島 しかも海外のものなので海外にお金が流れているということなんですよ。私たちの業界だと税金をちゃんと納めているのに、よく分からない違法な海外の業者がはびこり、全体として損なんですよね。

栗下 そういうことが起きることまで想定して国会議員が議論されたのかと思いますね。

新法成立までわずか3カ月の“異例”の性急さ

月島 法律ができるまで3カ月ほどしかかからなかったんですよね。当事者からのヒアリングもなかったようです。

栗下 現場の方々の声が届ていていないことが全ての問題の根底にありますね。びっくりするのは法律が決まってから施行までの期間が異様に短いことなんですよ。

緒川 私たちが知ったのは「衆議院が終わって参議院通ったら可決ですよ」というぐらいのスピードだったんですよ。「えっ、何も聞いてないし」みたいな。

稲森 その間、メーカーさんはだいぶバタバタしていました。

栗下 僕は国会議員になったことはないですが、政治に携わる者の常識からしても異様です。

月島 スピード成立の理由が「緊急性があるから」ということなんですけど、その緊急性とは何なんだっていう疑問が。

栗下 「被害者を1人でも多く出さないため」ということなんでしょうけど、実際どれだけの被害者が出ているのかについては不確かですからね。緊急性というのは僕にはよく分からないですね。

「女優は未成年者より判断力が低いのか」

AV女優座談会「AV新法で収入減少」…悪化する労働環境、混乱する撮影現場の実態の画像3
成人年齢の引き下げに伴う問題にも議論は及んだ(撮影=編集部)

天使 新法の議論は「成人の年齢引き下げ」がスタート段階だと思うんですけど、そもそも何で引き下げたんだろうと思いますね。

栗下 年齢を引き下げても自分に責任を持って行動できるからということで引き下げになったんですよね。

天使 なのに契約では未成年だから不安だということで法律ができたんですよね。「結局どっち?」と思います。

緒川 しかも新法の適用対象者は全年齢じゃないですか。未成年を守るためじゃなかったの? 国会の議論を見ると、「教育」「啓発」という言葉が出てくるんですけど、「えっ、日本は何十歳の人にも教育するの?」と突っ込みました。

月島 「私たちAV女優は未成年者より判断力が低いのか」と見ている法律だと思うんです。差別を感じました。

新法によって収入が減った人の救済はない

栗下 「救済法」という法律の正式名に対しても残念な思いをされていると聞いてその通りだと思いましたよ。新法は(出演強要された)女性を救済する目的なんですが、新法によって収入が減った人の救済はされないんですよ。

緒川 収入源の人の救済法は契約の1カ月ルールと4カ月ルールの見直しです。未成年者や判断力の弱い人もいるし、実際被害が出ていないとも言い切れないので、保護すべきだと思うんですが、それなりのキャリアのある女優さんまで当てはめるからこういう問題が起きているんです。デビュー作なり、まだ女優歴1年未満とかの線を引いて適用すればいいと思います。新法が全て悪いとは思わないけど、何らかの基準を設けるべきです。

天使 実際に議員さんにその話をしたら、「キャリア何年以上は免除になりますよという明確な基準を設けるのは難しい」ということでした。

月島 一般的な会社での研修期間の平均を出してそれを当てはめればいいんですよ。私のイメージでは3カ月ぐらいかなと思います。

天使 一般論の中で言うと。こっちから意見を提出しても、言い訳されているような返答しかないので。

栗下 長くやっておられる女優さんはそれだけ(出演強要の)リスクはないし、自己判断もできるでしょうからね。

緒川 「私たち、こんだけやって信用ないの?」と思いますよね。信用があるからこんだけやってこられた訳だし。

栗下 長くやられている方にとっては、新法は邪魔でしかないという状況まで見て法律を決めたのかということですよね。「女優さんはみんな嫌々出さされているんだ」という偏見があって、それがこの法律に反映されている気がしますね。

天使 適正AVの中でやっている女優として人生を歩んでいる人と、違法の撮影をやっている人の区別がついていないんだなというのをすごく感じます。性事業者というひとくくりで差別されているんです。

栗下 中身に踏み込んだ議論がされてないことが全ての問題なんですね。

緒川 私は性産業に17年間関わってきて、(問題のあることを含めて)いろんなものを見てきました。今は時代が違うのに、被害者救済団体は「20年前の性被害を言ってください」みたいなことを言うじゃないですか。昔は学校で先生が生徒を殴ったし、部活でも「水飲んじゃいけません」だったんですが、今は殴らなくなったし、水も飲むようになった。昔のことを引き合いに出して問題視しないですよね。昔を引き合いに出して今と一緒くたにするのは間違いだと思います。

天使 新法の全部が悪いと言っている訳ではないんですよね。

緒川 そう。新法があったら救われる人もいるだろうし。

月島 ずっと長くやっている人にまで適用するのはやりすぎじゃないかということなんです。

緒川 段階的処置がないところに大きな欠点があるんじゃないのかなと思います。

栗下 細かいところを作り込まずに法律として決まってしまったのですが、一度決まった法律を国会で変えるというのはあまりない。それがとても問題になっている。そこは国会の常識を覆して直すべきは直してほしいということですね。

月島 「2年以内に改正」とは言われていますね。

新法ににじむ偏見「私たちは夢を持ってこの仕事をしている」

天使 新法に関しては発案の段階から偏見を感じます。偏見を持つ方で作られたことがものすごく気になっています。

月島 裸の記録を残すことが女性にとってつらいことだと決めつけられている。私たちは残してほしいし、売れてほしいと思っています。

栗下 ある女優の方は「私たちは夢を持ってこの仕事をやっているんだ。人生のゴールがあって、多くの方に認めていただいて到達したいのに、新法が障壁になっている」とおっしゃってました。世の中の見方が偏っていて、国会も実際にやっている方々との距離がもっと離れているかもしれないですね。

天使 社会的にセックスワーカーの扱い方はどこの国でも難しいですよね。

緒川 性産業は歴史的に見て、売春宿として支え、情報も公開され、差別もなかった。その中で成り立って発展してきたのに、今度は「邪魔だから」と言われる。

天使 「公序良俗」というのがあいまいなままで、性産業がずっと下に置かれている。

栗下 性産業の存在は誰もが知っているんだけれど、「話すのはNG」みたいな風潮になっている。

緒川 法律を作ったのだったら、(修正を含めて)最後まで責任を持てと言いたい。「AVは嫌だ」とか言いながら、国会で発言して作ったんだから、責任を取ってほしい。

天使 今までグレーゾーンでやってきたものに対し、「どうにかしたい」と動いたのなら全てをきちんとしてほしい。

月島 (新法推進の)議員さんに会った時に、「出演強要の被害者はどこにいるんですか?」と聞いたら、「AV人権倫理機構に聞いていくれ」という答えでした。被害者については(実際に存在するのかどうかを含めて)誰も情報を出してくれないんです。

天使 撮影に先立って「どこまで大丈夫ですか?」と事前に確認されますしね。

稲森 女優の意向を全部踏まえた上で契約書に署名、印鑑を押している訳ですから。

天使 契約書の内容をよく読まずに後で文句を言う子が若干いるのは事実なんですけどね。

月島 どんな仕事でもやってみないと分からないということはありますからね。

緒川 デビュー1年以内、あるいは半年以内の人には研修期間を設けて、それ以外の方は法適用の対象外にするとか。

天使 私たちも、法制化の動きを「何か言ってんなー」とあまり気に留めていなかったのも良くなかったと思います。

緒川 私たちは活動家でもなく政治家でもないので、改案するのは私たちの仕事ではないことは自覚していているんですが、法制化の問題が風化してしまうことが一番怖いと思うんです。現行法が基本になったら終わってしまうので、改正を求めて私たちが活動することが意味のあることを分かってほしい。声をずっと上げ続けて忘れないでほしい。

天使 性産業に対してもっと過激な意見が優遇されてしまうのが一番怖い。業界が意見を言うと、「そっちの考えに洗脳されないでください」という人もいるし、自分たちで政治の舵を取ろうとしている方もいるので。「偏った思想で法律をつくって、全国民に適用するのはいいんですか」という疑問があります。

泉健太・立憲代表は「聞く機会」に前向き

栗下 法律をつくる上で絶対外しちゃいけない基本があって、それは当事者の方の声を聞かなくちゃいけないことなんですよ。新法の場合、それが守られていたかどうかなんですよね。

天使 法制化の過程で当事者からはヒアリングされなかったという話ですよね。政治家も被害者団体の方には会うのに、事業者団体には会わないし。

緒川 どこの政党でもいいので、私たちの話を聞いて考え直してもらいたい。

栗下 立憲民主党泉健太代表に「当事者の方々からお話を聞いてください」とお願いしたら、「聞きましょう」という答えを頂いたので、聞いていただく機会を設けたいと思います。

緒川 とりあえず10人ぐらいの政治家の方に聞いていただきたいですね。

栗下 国会議員に話を聞いてほしいのに、それができないとすれば由々しき事態ですね。国民の声を聞くのが国会議員の仕事じゃないですか。

天使 それと性事業者に対する差別をもっとなくしてほしい。性事業に関わっているから発言権がないという状況を改善してほしいと思います。

緒川 私たちは選挙権もなければ、税金も払っていないと思われている。

栗下 コロナ禍で仕事にいけない人への補助金の支給で、性風俗で働いている人は対象外になって裁判になっているですけど、偏見という言葉が正しいのかどうか分かりませんが、政治の場にもそういう見方が残っているのかもしれません。

天使 性事業も社会貢献として成り立っている側面もあるので。

緒川 これを機に偉い方々にちゃんと話を聞いてもらいたいし、現場をちゃんと見てもらいたいですね。

議員「女優は特殊なお仕事だから」……根深い職業差別

月島 ある国会議員を駅で見つけて声を掛けたら、「議員は話を聞くのが仕事だから」と名刺をくれたんですけど、結局会えないんですよ。(新法推進の)国会議員に会った時、「次回は日本プロダクション協会の人も連れて来ていいですか?」と質問したら、「それはちょっと」と言われました。

天使 「女優は洗脳されているから」という思想があるからじゃないですか。プロダクションの人がいたら、女優さんは自分の話ができないんじゃないかと。

月島 「女優は頭が弱い」と思われているのか。丸め込めやすいと。議員さんから「(AV女優は)特殊なお仕事だから」という発言があって、「それは差別じゃないですか」と言い返したら、慌てた様子で弁解していました。そういう差別的な気持ちがあるんだなとショックでした。

花宮レイ 私たちは誇りを持ってこの仕事やっているんですよね。

新法改正に向け10万人署名開始

天使 今回私たちが発信することで、差別的な意識を和らげることができたと思います。

緒川 女優さん側にも意識を広めたいと思います。問題点が分からない人もいると思うので。

栗下 私が感心したのは、女優さんたちがご自分のアカウントで政治的な意見を拡散してくれるし、ご自身の考えをNOTEとかブログで発信されているじゃないですか。それぐらい業界にとって切実な問題であることが伝わってきますよね。

天使 正直、言いたくないことはいっぱいあります。ファンの方々は嫌なことを忘れたくて映像作品を見ているので、自分たちが(政治的な発言を)発信することで、ファンの方々が少しでも思い出すということはなるべく避けてやってきたので。日常を忘れさせてあげようとする存在でこれまでやってきたんですよ。

緒川 この問題を忘れないでいただきたいとの思いから言っていることの勇気、難しさ、もどかしさを理解してほしい。

天使 女優らで法改正を求める署名活動をしているんですが、10万人を目標に進めています。

稲森 ツイッターのリプライを見ると、ユーザーさんは味方の方がすごく多くて、もっと頑張って署名運動すれば、10万人とかすぐ集まる気がします。

緒川 それが議員さんに会うことにもつながるし、「忘れない」ということにもつながっていくし。だからYouTubeとか今のツールでできることをいっぱいやっていきたいです。

天使 栗下さんも、(AV業界と関わることを)気にしていない訳ではないと思うんですよ。しがらみもあるでしょうし。にもかかわらず、こうして寄り添って、自分の言葉で世間に言っていだいています。そういう味方を一人でも多く増やしていきたいと思います。

緒川 こっちの世界に踏み込むのは難しいことですから。

栗下 AV新法に限らず、建前でしか議論できないのが今の政治の限界だと思うんですよ。国民の思いを国会に持ち込む人がいないと、政治に関心が向かなくなるので、この問題を変えていきたいと思っています。

月島 事務所に批判の電話とかありませんか?

栗下 今のところ、全くないですね。むしろ街頭に立った時に「AV新法の件で頑張っているよね」と男女問わず応援してもらっています。

天使 そういう声がどんどん大きくなったら、(業界を差別化する)声も小さくなってくると思うので。

緒川 国会が思っているより、世の中はちゃんと分かって、見て、考えてくれている方が多いんじゃないかなと思いますね。

稲森 ユーザーさんも(栗下さんに)感謝していると思います。

栗下 今後も法改正を言い続けていこうと思います。与野党相乗りで成立した法律なので、自分の党だけでは改正は実現しない。多くの国民が「明らかにおかしい」と思ってもらわないと、たぶん動かないと思います。そういう意味では署名活動も大切ですね。

月島 メディアも被害者救済団体のことはテレビで取り上げてくれるんですが、私たちのところには来てくれなくて。

栗下 メディアがどういうものを扱うか、扱わないかの従来のガイドラインも影響していると思いますね。

天使 どこに声を掛けたらいいか分からないということもあります。

栗下 今やテレビは見ないが、ネットは見るという人が増えているので、そういう方々に広めるのがいいんじゃないでしょうか。皆さん、大変な発信力を持っていらっしゃるでしょうから。

天使(今回の座談会はYouTubeで動画配信しますので)見てくださった方が動画や新法に関する内容を拡散して、署名にも協力していただきたいです。

 新法は女優のAVへの出演強要が社会問題化し、国会与野党の議員立法で成立し、6月に施行された。

(構成=Business Journal編集部)

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