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元公安捜査官が教える「本音」を引き出す技術

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※画像はイメージ(新刊JPより)。
※画像はイメージ(新刊JPより)。

 部下や上司の本音を引き出したい。従業員の嘘を暴きたい。家族の隠し事を知りたい。

 人間関係は嘘と建前と秘密に満ちている。それらの間をうまく渡っていければいいが、時には本音や嘘、隠し事を知りたいという仄暗い欲望に囚われる事もあるのが人間だ。

「話しにくい情報」を引き出す公安のスキル

 こうした人間が奥底に秘めた感情を探り出す「プロ」が諜報員やスパイと呼ばれる人々。人間心理の性質も機微も熟知した彼らは、ターゲットに近づくとあの手この手で信頼を勝ち取り、重要な情報やその断片を聞き出す。

 『元公安捜査官が教える「本音」「嘘」「秘密」を引き出す技術』(稲村悠著、WAVE出版刊)は、日本におけるある種の「スパイ」とも言える公安警察の元捜査官が、自身の捜査手法を明かしていく。

 たとえば「年収」のように、親しくなっても聞きにくいし、聞かれても話しにくい話題がある。「年収はいくらですか?」とストレートに聞いても、正直に答える人は少ないだろう。

 こういうストレートに聞けないものの知りたい情報を、相手に語らせる方法がある。それが「2つ前を攻める」というもの。年収そのものをストレートに聞くのではなく、周辺情報を雑談の中から聞き出し、それらの情報をもとに核心の情報(ここでは年収)を類推するのである。

 年収は教えてくれなくても、不動産ローンの状況(頭金や残り年数)や、自家用車の種類、子どもの習い事などは、雑談の中から引き出すことができるかもしれない。これらはすべて、その人の年収を類推する手がかりとなる。こうした情報を集めれば集めるほど、精度高く年収を予想することができるだろう。

 これは年収に限ったことではない、「気になる人に恋人がいるかどうか」「いなかったとして自分に脈があるかどうか」といった恋愛周りの話題にも応用できるし、ストレートに聞きにくい質問は日常生活を見回すとあちこちに散らばっている。こうしたことを知るために、「2つ前を攻める」手法は役立つ。

「弱み」を曝け出すことで相手の真の姿がわかる

 また、相手の本音を引き出したい時は、わざと自分から相手に弱みを見せるという手法がある。これは企業の採用面接がわかりやすい。こうした場において採用側からは、自社がどの分野でどれだけ優れているか、といった「強み」や「魅力」が語られることが多いのだが、特に中途採用であれば会社の「弱み」を補うために行っているわけで、その弱みを隠したままではいい人材を採用できないことになりえる。

 それならば弱みを応募者に開示したうえで、その弱みをカバーできる人材かを見極める方が効率的かもしれない。もし「データ分析ができる人材がいない」のが弱みなのであれば、それを明確に伝えたうえで、その人材がいないことで起こった困りごとやトラブルについて話して、応募者の対応を見るという方法だ。

 これに対して応募者が「大変だったんですね」と他人事のような反応をしたのであれば、「データ分析」についてのスキルは不十分だと判断できる。

 ここで具体的な解決策や提案、過去に携わった同種の仕事の話ができる人であれば、合格。応募者が「できる」と言っていることについては、より深く理詰めで質問すると、相手の本当の実力を知ることができる。

 ここでは、相手の本音や話しにくい情報を聞き出す方法を紹介したが、どちらの場合も自分から自己開示することが必要であり、それこそが相手から話を引き出すための大前提である「信頼の獲得」の近道となる。

 本書ではその部分から「プロ」が使う手法が解説され、その上にここで取り上げたような具体的な手法が明かされている。ビジネスシーンでも私生活でも、相手の秘めた思いに触れたい場面は少なくない。そんな時に本書の知識は役立ってくれるはずだ。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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